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IoT時代の安全「Safety 2.0」建設

安全性と生産性の両立を可能にする「Safety 2.0」(1/3ページ)

2017.01.11

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 Safety 2.0の具体例をお見せしよう。一つ目は、「止めない安全」による生産性向上の例。Safety 1.0のときとは、生産現場が大きく変わる。二つ目は、「見守り安全」の例だ。これまで見えなかった安全を「見える化」することで、安全への的確な投資が可能になる。そして三つ目が、「コラボレーションフェールセーフ」である。この新しい概念により新しい市場が拓ける可能性がある。

設備を止めずに安全確保、人とロボットの協働を可能に

 従来は、生産設備に異常や故障などがあると、停止して対処することを安全の基本としてきた。しかし生産設備を止めると、当然のことながら生産がストップしてしまうため、安全は生産性とトレードオフの関係にあるとみられてきた。そのため製造業などの現場では、作業員が生産性を落とさないようにと、生産設備を止めないまま危険を承知で異常などの対処に当たり、事故に巻き込まれてしまうといったケースが後を絶たなかった。たとえ、生産設備に安全装置が取り付けてあっても、作業員は生産を第一に考え、それをわざわざ無効化して作業をしてしまうのである。

 Safety 2.0では、こうした問題を解決することができる。ちょっとした異常や故障なら、生産設備を完全に止めることなく、社会的に許容されるレベルのリスクの範囲内で人の能力に応じた条件で運転を継続させるからだ。

 図1は、作業員が回転体の点検に来たときの様子を描いたもの。作業や安全に習熟した左の作業員と、習熟していない右の作業員では回転体の速度を変えて運用する。一方、図2では、習熟した左の作業員と習熟していない右の作業員では、機械に近づける距離が違う。

人の能力に応じて機械の速度を柔軟に制御することで、安全性と生産性を両立する(イラスト:楠本礼子、以下同)
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人の能力に応じて「ゾーン」をうまく設定することで、人とロボットの協働を可能にする
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 これまでは「動かす」「止める」の2値制御だったのに対し、Safety 2.0では「速く動かす」「遅く動かす」といった運用も取り入れた多値制御を取り入れる。これにより、チョコ停が減り、稼働率が向上する。さらに、人とロボットの間で常に情報をやり取りするようになれば、同じ空間内で人とロボットが安全を確保しながら互いに協調して作業ができるようになる。

 このように、Safety 2.0ではきめ細かな運用により、これまでトレードオフの関係にあると考えられてきた安全性と生産性の両立を可能にするのである。

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