トップ > 50歳からの“老後破産”防衛術 > リスクを抑えつつ、「年3%の運用」は本当に可能か?

50歳からの“老後破産”防衛術ライフ

リスクを抑えつつ、「年3%の運用」は本当に可能か?(1/3ページ)

2016.08.10

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 前回、話を伺ったフィデリティ退職・投資教育研究所の野尻所長が行ったシミュレーションの前提になる年平均3%の運用利回りは、本当に実現可能なのでしょうか。
 何しろ、世の中はマイナス金利で、定期預金の利率は、預入金額の多寡、預入期間の長短に関係なく、年0.010%が当たり前。年平均3%の運用利回りを実現するのなんて、とてもじゃないけど無理に思えてきます。
 そこで今回は、世界中の株式や債券に分散投資する投資信託を運用している、セゾン投信の代表取締役社長、中野晴啓さんのところにお邪魔して、現実的に年平均3%リターンの運用は可能なのかどうなのかを伺ってきました。(取材・文=鈴木雅光)

 セゾン投信代表取締役社長の中野さん、ただ今、52歳。先日、同世代の友人と呑みに行ったそうです。皆、会社員としては第4コーナーを回り、ホームストレートに差し掛かったところ。このコーナーの読者も同じ年代だと思います。呑んでいてどんな話が出たのでしょうか。

セゾン投信・中野晴啓社長

 「子供の話が多いですね。30歳くらいで結婚して、34歳で子供が生まれれば、ちょうど大学に入るくらいの年齢でしょう。『うちの子が今度、有名私立大学に入ったんだよ』みたいな話題がとにかく多い。皆、子供ができてからかなりのお金を、子供に対して投資してきたのだと思います。有名私立大学に合格させるためには、相応のお金が必要になりますからね。ただ、子供には投資したけれども、自分たちの老後に必要な資金作りのための投資は、いっさいしていない。準備しているお金がゼロという人は、幸なことにいませんでしたが、皆、預金に預けたままにしているか、ちょっと色気のある人だと『なんか、一発で儲かる銘柄を教えてくれよ~』というわけです」

 マイナス金利のご時世ですから、定期預金に預けていても、利息は年0.010%。お金が倍になる期間が分かる「72の法則」(72÷金利≒お金が2倍になる期間)で計算すると、

 72÷0.010(%)=7200

 7200年も掛るわけです。この金利情勢下で定期預金による運用は、貸金庫にお金を預けたままにしているのと同じで、殖やすための資産運用にはなりません。

 「元本さえ減らなければ良い、などと考えて定期預金に預けている人もいると思うのですが、これからは預金こそリスクを意識すべきですよ。まだマイナス金利の効果は具体的に表れていませんが、日銀は物価上昇の兆しが見えるまで、マイナス金利を推し進めていくでしょう。だから、いずれインフレになるはずです。そうなった時、低い金利水準に抑えられた定期預金でお金を運用していたら、資産価値は間違いなく目減りします」

 預金は「元本保証」と言われていますが、預金の利率が物価上昇率よりも低かったら、預金に預けたお金の価値は、どんどん目減りしていきます。預けた1万円が9000円、8000円というように名目上は減価することはありませんが、物価水準の上昇に伴って、実質的な価値は減価してしまうのです。マイナス金利の副作用が効きすぎて、年5%、6%というように物価が上昇したら、実質的に元本割れが生じているのと同じことになります。

 かといって、一発で儲かる銘柄が事前に分かるようなら、誰も苦労はしません。何しろ東京証券取引所に株式を上場している企業だけで、3522社もあるのです。この中から「一発で儲かる銘柄」を選んで投資するとしても、成功する確率は非常に低いですし、大きく儲かる期待値の高い銘柄は、一方で大きく損をするリスクと常に背中合わせです。

 預金は全くリターンが期待できず、株式の個別銘柄投資は成功確率が非常に低い。さて、どうしたものでしょうか。

年率3%で資産を増やせる投資はあるのか?(写真:PIXTA)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ログイン
  • マイフォローとは?
nikkei BPnet 会員サービス
トピックを選ぶ!フォローする 自分のメディアを組み立てる! マイフォロー

ランキング一覧を見る

おすすめ情報【PR】

締切間近のセミナー