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早出し!「ニュースの論点」ビジネス

突然の高額紙幣流通中止で全インドが混乱! 騒動のなか「漁夫の利」を得たのは?(1/3ページ)

2016.11.22

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 世界が「トランプ・ショック」で大混乱しているとき、もう一つの大混乱が人口世界2位の大国インドで起こっていた。11月8日午後8時(現地時間)、同国のナレンドラ・モディ首相がテレビ演説で、同国の通貨ルピーのうち、金額の高い1000ルピー紙幣(11月22日時点の為替レートで約1630円)と500ルピー紙幣が、演説の4時間後の9日には法的通貨でなくなると発表したからだ。

(写真:PIXTA)

 9日は政府の指示でインド国内の全銀行が休業した。両紙幣を持つ人は、翌10日から12月末までの間、銀行や郵便局に足を運び、10日より新たに発行された新紙幣と交換するか、預金するかでしか保有する現金の価値を維持できない事態となった。同国では決済に占めるクレジットカードの割合がわずか2%。現金決済が圧倒的で、国民預金比率も約5割と「タンス預金」の比率が高い。このため、貧困層を中心に大混乱となったのである(参考:インド、高額2紙幣を廃止 不正資金撲滅へ 、日本経済新聞)。

 今回、突然こうした決定がなされた理由として、(1)パキスタンに本拠を持ち、インド国内で活動するテロ組織が高額紙幣の偽札を使っていること、(2)資産隠しによる脱税や汚職に使われるブラックマネーを一掃したいこと――という2点が挙げられている。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、1000ルピー札は400枚に1枚が偽札だという。しかし今回廃止が決まった紙幣の流通量は230億枚にも上り、同国内で流通する紙幣の86%を占めるとされる。

 10日以降、国内の銀行には紙幣の交換や預金をしようとする人々の長蛇の列ができた。新紙幣は十分に用意されておらず、一日に交換できる金額の上限が4000ルピー(18日に2000ルピーに変更)に限られ、預金の引き出し量も制限されていた。南部テランガナ州では、土地を売って得た現金が紙くずになると思った女性が自殺する事件まで起こった。

 世界各国の物価を比較する指標として知られる「ビッグマック指数」は162ルピー(7月、日本は370円)、国民一人当たりのGDPが約11万ルピー程度という同国では、貴金属、家電や携帯電話、日常品の買い占めや、商店での高額紙幣受け取り拒否などといった影響も出ているという。

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