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早出し!「ニュースの論点」ビジネス

突然の高額紙幣流通中止で全インドが混乱! 騒動のなか「漁夫の利」を得たのは?(2/3ページ)

2016.11.22

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約12億人の資金大移動で、オンライン決済企業が漁夫の利

 今回の騒動で漁夫の利を得たのが、「オンライン決済」サービスを提供する企業である。同国内の電子決済サービス「ペイティーエム」「オラ」「モビクイック」「フリーチャージ」などの利用者数が急増している。モディ首相の演説の後、オンライン決済各社は、ツイッターで国民に自社サービスの利用を呼び掛けた(参考:From PayTM to Ola: Brands cash in after Rs 500, Rs 1000 notes banned、Hindustantimes)。

 「オラ」は、モディ首相の演説後15時間でチャージ額が15倍に膨れ上がり、同国オンライン決済最大手ペイティーエムは9日にアプリのダウンロード数が200%、取引量が250%増加、チャージ額が400%、取引額は1000%増加した(参考:Modi’s surprise move on rupee notes has come as a pleasant surprise indeed for Indian internet startupsQUARTZ)。モビクイックは、19日までに今回の騒動以後で取引額が2500%増加したという。

(写真:PIXTA)

 今回の騒動だが、マクロ的にはインド経済への影響は限定的とみられている。今回のような高額紙幣の廃止は、短期的には市場で出回る貨幣流通量が減ることになり、上述したような決済への不安から経済によくないインパクトがある。特に土地や車といった高額品の取引ほど影響が長くなる可能性がある。インドでは自動車ですら現金決済をするが多いという。

 しかし、高額紙幣は銀行に預金すれば価値は保護されるので、約12億人もいる国民のタンス預金の多くはオンライン決済だけでなく銀行の口座にも半強制的に集められる。ウォール・ストリート・ジャーナルの記事「高額紙幣廃止でインド国債の価格が上昇」によれば、野村証券はその総額がインドのGDPの3%近く、2兆ルピーになると見積もっているとしている。

 これにより全人口の3%しかいないとされる所得税納税者の数は増加し、銀行の融資コストは減少(つまり利子が低下)し、融資がしやすくなるとみられる。このようなこともあり、インド・ムンバイ証券取引所の株価指数SENSEXは11月8日以降、下落はしているものの銀行など業種によっては株価が上昇しているものもある。

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