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オリックス宮内義彦氏が語る「私の経営論」ビジネス

会社を伸ばす株主とは(1/3ページ)

これからの企業統治を考える

2017.01.13

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宮内義彦(みやうち・よしひこ)氏。オリックス シニア・チェアマン。1960年8月日綿實業株式会社(現 双日株式会社)入社。64年4月オリエント・リース株式会社(現 オリックス株式会社)入社。70年3月取締役、80年12月代表取締役社長・グループCEO 、2000年4月代表取締役会長・グループCEO 、03年6月取締役兼代表執行役会長・グループCEO、14年6月シニア・チェアマン(現任)。

 企業経営を考える際には、ステークホルダー(利害関係者)の位置付けについて、「誰が優先か」という議論がよくされています。つまり経営者は、株主や従業員、取引先、顧客のバランスをどう取り、どう期待に応えていくのか、ということですが、これは企業経営をどのようなタイムスパン (時間の幅)で見るのか。その視点なしには考えることはできません。

 私自身は、企業経営者は、中長期的に業績を伸ばすことが大切だと信じています。その立場からステークホルダーを考えたいと思います。

 四半期決算の結果と、それに伴う株価の動向に注目が集まるせいか、最近の経営者の中には直近の期に最高益を上げることを考えて、来期のことはその次、といった短期志向の傾向が強まっていると感じます。

 その背景には「まず株主を喜ばせる」という考えがあるのでしょう。徹頭徹尾、株価を上げれば、株主は喜ぶし、社長も高額なボーナスをもらって喜ぶ、という循環を優先すると、「株主こそわが主」という発想になるのです。

 ですが、中長期的経営という立場で考えると、ステークホルダーはさらに多様になります。株主も、短期的な売買という立場ではなく、中長期での保有となると、「会社とともに歩む」という姿勢が強まります。途中で山あり谷ありでもいい。いい会社にしていく方向性がしっかりしていれば、例えば「従業員は経営資源の一つ。だから安く使ったほうがいい」といった即物的な考えはなくなるのです。逆に価値を生む従業員こそ非常に貴重な存在という認識を持つことになる。

 加えて、地域社会からの評価も重要になります。さらに取引先との関係性もしっかりと築いていく必要がある。「下請け企業なんていくらでもある」という発想では、取引先も失い長い信頼関係を企業社会で築くのが難しくなります。ステークホルダーが増えるということは、誰かに偏らず、ウェート(重心)をどこに置くのかが、難しくなります。それを意識してバランスを保つことが、経営者の役割です。

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