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笑止千万の教育改革、“エセ教師”がはびこる日本は「科挙」の二の舞(1/6ページ)

2016.06.15

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文部科学省・馳浩大臣が「ゆとり決別宣言」

(写真:PIXTA)

 国の宝は若者です。

 現在の国の政治、経済、社会の状況がどんなに劣悪でも、若者さえ優秀であればその国の未来は明るいし、逆にその国の状況がどんなに円滑でも、若者が腐っていればその国の未来は暗い。

 そして、その国の未来を支える若者を育てるのが“教育”です。教育こそが国の根幹といっても過言ではありません。

 しかし、現在の日本の教育環境はひどいものです。心ある者なら、誰しもこれを憂い、「なんとかしなければ」という想いはありながら、戦後、何度となく繰り返された教育改革がうまくいった試しはありません。

 そもそも終戦直後の昭和22年に教育大改革が断行され、「旧制」から現行の「新制」へと移行しましたが、このときの改革目的の最たるものが「熾烈をきわめる“受験戦争”の撤廃」「丸暗記偏重教育の撤廃」でした。にもかかわらず、それはモノの見事に失敗に終わります。うまくいかないどころか、教育改革が断行されるたびに悪化の一途。

――カイゼルは去っても将軍が残る。将軍が去ってもナチスが現れる。

 20年ほど前、同じ目的をもって「ゆとり教育をはじめる」と騒がれはじめたとき、筆者は予備校の教室で叫んでいたものです。

――この教育改革はかならず失敗する。

 そして、この「ゆとり世代」が日本の経済を担うようになったとき、その教育改革の失敗のツケを20年、30年かけて支払わなければならないことになるだろう。

 筆者の“予言”は的中し、ゆとり世代が社会人となるとそれまでの若者が当たり前のようにできていたことがまったくできない若者が続出し、産業界を狼狽(ろうばい)させました。そこに至ってようやく政府も「ゆとり教育」の失敗を認め、これを脱却することになりましたが、あまりにも遅きに失しています。

 先日、文部科学省の馳浩大臣が「ゆとり教育と決別する!」と発言したことに関して、ゆとり世代の若者が「そうですか、我々は失敗作ですか」と反発したことが報道されましたが、残念ながらその通りです。まごうことなき「失敗作」です。もちろん若者に罪があるわけではありません。罪は日本教職員組合(日教組)をはじめとする、この「ゆとり教育」を推進した者たちにあるのですが……。

 ただ、「ゆとり」を始めようとした理念そのものは悪くありません。

――丸暗記偏重の詰め込み教育を是正しよう!

 それは是非とも是正してもらいたい。しかし、そのやり方がトンチンカンです。

――だから、授業時間を減らそう!

 ほとんど意味不明です。問題なのは「丸暗記教育」であって、授業時間ではありません。「ゆとり改革」とは、教育の何たるかをまったく理解できていない者たちが教育を引っかき回した“惨事”でした。

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