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【最終回】人と社会は既にAIで変わり始めている(1/6ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×川上量生(ドワンゴ会長) Part.4

2016.12.26

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前回、AIと経営者の関係やAIの企業経営の可能性について語り合った中島氏と川上氏は、最終回となる今回の対談で、SEOやハーディングチェック、AIと人間との共進化などについて議論することで、AIがすでに人間や社会の在り方に対してや未来に影響しつつあるという事実を浮かび上がらせます。

(左:ドワンゴ会長の川上量生氏、右:東京大学特任教授の中島秀之氏)

(文・構成/佐保 圭、写真/涌井タダシ、協力/高柳 浩=公立はこだて未来大学 客員教授)

ディープラーニングは安くて簡単

――川上さんは、エキスパートシステムよりも、ディープラーニングの進化の方に期待されているようですね。

川上:そうですね。ディープラーニングは安いんで。

――安いんですか?

川上:つくるのが安いんですよ。エキスパートシステムは、つくるのにお金がかかるので。

中島:まあ、エキスパートシステムは、人がいっぱいいりますから。ただ、ディープラーニングの方が、ハードウエアは必要ですよね。

川上:いや、まあ、そういう意味ではそうですけど、いまはパソコンでできるので……電気代はかかりますけど。

――「日本はディープラーニングの分野でかなり遅れてしまっている」という話を耳にしますが、ビジネス的な視点でいうと、今からでも追いつけるのでしょうか。

川上:ディープラーニング自体の活用って、簡単なんですよ。身体性の部分の方が難しくて。電子化されたデータに対してディープラーニングを適用するのは、非常に簡単です。

――どう簡単なんですか。

川上:うちの話でいうと、この1年でやったことでも、たとえば、ニコニコ動画で悪口や誹謗中傷のコメントってあるじゃないですか。あれ、人力で削除していたんですけど、今、90%はディープラーニングで自動的に削除しています。

――ドワンゴでは、すでにディープラーニングを活用しているんですね。

川上:それをつくるのも、開発期間は3カ月とか、6人月とか、そんなもんです。だから、ディープラーニングのライブラリができていて、公開されていて、データが電子化されていたら、学習そのものは、原理があまりわかっていなくてもできちゃうんです(笑)。そういう意味では、日本が追いつくのも、そんなに時間はかからないと思います。

――なるほど。

中島秀之(なかしま・ひでゆき):東京大学大学院情報理工学系研究科 先端人工知能学教育寄付講座特任教授、公立はこだて未来大学名誉学長。1952年、兵庫県生まれ。
1983年、東京大学大学院情報工学専門博士課程を修了後、同年、当時の人工知能研究で日本の最高峰だった電総研(通商産業省工業技術院電子技術総合研究所)に入所。協調アーキテクチャー計画室長、通信知能研究室長、情報科学部長、企画室長などを歴任。
2001年、産総研サイバーアシスト研究センター長。2004年、公立はこだて未来大学の学長となり、教育と後輩の育成、情報処理研究の方法論確立と社会応用に力を注ぐ。2016年3月、公立はこだて未来大学学長を退任後、同年6月、同大学の名誉学長に。

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