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【最終回】人と社会は既にAIで変わり始めている(6/6ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×川上量生(ドワンゴ会長) Part.4

2016.12.26

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鍵はランダムとパターンの組み合わせ

中島:ただ、たとえばコンピュータのプログラムには、“and”とか“or”とか、あるじゃないですか。“and”は画像でもできるし、“or”もおそらく画像でできるでしょ? でも、“not”だけはできない。うまく言えないんだけど、そういう「否定」というか「今までとはちがうもの」という言い方のものって、コンピュータにとっては、すごく難しいと思うんですね。特にディープラーニングのようにイメージの上で操作する場合は。

――常識ではこういう終わり方をするはずなのに、そこをあえて“not”にする「オチ」をつくるのは、コンピュータ、とりわけディープラーニングには難しい、ということですね。

中島:オチを与えられて「これはオチだ」とわかるようにはなると思います。でも「自分でオチをつくる」というのは、なんというか、もう一踏ん張りの気がするんです。

川上:たぶん、そこから、何かあるんじゃないですか。1個はパターンでやるか、ランダムでやるかっていうことで。

中島:そうなんですよね。そこが、もうちょっと研究しないとわかんないですけど。「ランダム」プラス……。

川上:ある「パターン」ですよね。

中島:今のところ、それしかないですね。

川上:たぶん、人間も、そうやっているんだと思うんです。

中島:たとえば、星新一さんもそうですね。ものすごい多作の作家だから、何か、そういうパターンを持っているんですよね。

川上:あれは、絶対、ライブラリがないとできない。そういうふうに作品をつくっていますよ。

――残念ですが、終わりの時間が来てしまいました。おふたりは、今日、対談されて、どういう印象を持たれましたか?

川上:いやあ、おもしろかったですね。

中島:これでお話しするのは2回目ですが、前回はビジネス話題でしたので、今回AIについて深く話せて良かったです。

川上:人工知能の話が通じる人って、本当に少ないですから。

中島:それはちょっと困ったものですよね。

――本日は、非常に興味深いご対談をどうもありがとうございました。

川上:ありがとうございました。

中島:ありがとうございました。

【おわりに】
 今回の対談シリーズは楽しませていただきました。松原氏とはよく会ってはいるのですが、最近はAIについて語り合う機会がなかったので面白かったです(だいたい言うことは予測できましたが)。羽生さんは、その頭の回転の速さに脱帽です。対談も開始1分後にはフルスピードになっていました。終わったときにはもうクタクタという感じでした。川上さんは経営者ということで、我々にない視点をたくさん持っていらっしゃって目から鱗のことも多くありました。読者の方々も楽しんでいただけたなら幸いです。実はもっともっと多くの人と対談したかったのですが、これでおしまいということになってしまってちょっと残念です。(中島)

中島 秀之(なかしま・ひでゆき)
中島 秀之(なかしま・ひでゆき)

東京大学大学院情報理工学系研究科 先端人工知能学教育寄付講座特任教授、公立はこだて未来大学名誉学長。1952年、兵庫県生まれ。1983年、東京大学大学院情報工学専門博士課程を修了後、同年、当時の人工知能研究で日本の最高峰だった電総研(通商産業省工業技術院電子技術総合研究所)に入所。協調アーキテクチャ計画室長、通信知能研究室長、情報科学部長、企画室長などを歴任。2001年、産総研サイバーアシスト研究センター長。2004年、公立はこだて未来大学の学長となり、教育と後輩の育成、情報処理研究の方法論確立と社会応用に力を注ぐ。2016年3月、公立はこだて未来大学学長を退任後、同年6月、同大学の名誉学長に。

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