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AIは企業を経営できるか(4/7ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×川上量生(ドワンゴ会長) Part.3

2016.12.19

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経営者は決断するフリをするだけ

中島:会社経営の経験はないですけど、大学で12年、学長をやっていたとき、決断が難しい局面は、ほぼゼロでした。1日くらい悩むことはあっても、だいたい答えは自明でした。ただ、問題なのは、その自明な答えを事務局が嫌がることです。「それ、たいへんですよね」って。そうなると、学長の仕事は「周りをいかに説得するか」だけなんです。

――そうなんですね。

中島:問題が起こって「どうにかしなければならない」というときは、そういう感じですけど、何も問題が起こっていないときは、また、別の話になります。たとえば、大学のケースでいうと「自分たちの向かう方向を少し変えよう」とか「学科の編成に若干の手を入れよう」という場合、通常、学長は何もしなくていいんだけど、たまに「やっぱりこっちの方がいいよな」と思うときもあります。そういうときの意思決定って……なんだろう……ディープラーニングでもいけそうですよね。ほとんど感覚で「こっち」と言っているわけだから。

――たとえ、どんな局面の意思決定であっても、それをAIに任せたら、おもしろくないんじゃないですか? 経営者は決断するところに一番“醍醐味”があると思うのですが。

川上:いやぁ、みなさん、決断しているんですかね。

――経営者であるかぎり、決断しているものと思いますが?

川上:日本のリーダー像って、基本、フリをしているだけだと思うんです。ロールプレイなんですよ。「経営者らしい決断は何だろう?」って。「何を決断するのか」ではなく、「その場で自分は何を期待されているんだろう?」って考えて、そのフリをしているだけのような気がするんですよね。かなりの政治家も含めて。

――経営において決断するのは、それほど難しいことじゃないと?

川上:いや、ある意味、難しいじゃないですか。だって、論理って、基本、簡単だから。でも、論理じゃなくて、空気を読んで自分を進めるられるのは、情報処理としては高度なんですよ(笑)。高度なんだけど、論理的には、なんだろう……そういう意味で、経営者はすごく難しいことをやっているんですけど、経営ではなくて、経営者ごっこをやっている。経営者のフリをして、演じているというか……単純に、企業の置かれている状況にもよりますけどね。

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