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“宮崎駿”もAI化できる!? ディープラーニングで「人間の知能」に迫る(1/8ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×川上量生(ドワンゴ会長) Part.2

2016.12.12

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 AIを実用化するうえで障壁となる日本の制度について語り合った中島氏と川上氏は、現在の人工知能ブームを牽引する「ディープラーニング」に関して、その実力や可能性について、それぞれの異なる意見を戦わせ、議論は白熱していきます。

(左:東京大学特任教授の中島秀之氏、右:ドワンゴ会長の川上量生氏)

(文・構成/佐保 圭、写真/涌井タダシ、協力/高柳 浩=公立はこだて未来大学 客員教授)

AIの進歩は人間の成長と逆

――社会や制度が変わっていかないと、AIを十分に活用できないということですが、そうなると、現時点でAIは本領を発揮できないということでしょうか。

川上量生氏(以下、川上):目の前では、かなり役に立つと思いますよ。意思決定も含めて、基本的に、AIにできないことはないと思っているので。

中島秀之氏(以下、中島):昔、ミンスキーが「大学生のAIはつくりやすいが、幼児のAIは難しい」と言っていました。

川上:はい。

中島:AIの進歩は、人間の成長とちょうど逆方向に行っているという話をしていた。なぜかというと、大学で学ぶことは教科書に書いてあり、教科書に書いてあることは、まあ、そのままプログラムすればいい。けれど、幼児がいろんなことを判断しているのは、どうやっているのか、我々にもよくわからないから、それはAIにも移せない、という議論なんです。

川上:はい。

中島:ですから、ディープラーニングが出てきて、勝手に学習させたら、今より少しはいいだろうと思うけど、でも、やっぱり体はちがうから、一致しないだろうと思うんですよ。

川上:なるほど。

中島:例えば、料理。有名店の料理をディープラーニングで分析して、真似はできると思うんですけど、今まで誰もつくったことがない、美味しいものがつくれるかっていうと、私はちょっと疑問視しているんです。いろんなものをつくって、人間が「これ、美味しいね」というのではダメで、それは機械でもできるんだけど、AIが自分自身で「これ、美味しい。自信作だ」って出してくるようなことは、できるかといえば……。

川上:できると思いますね。

中島秀之(なかしま・ひでゆき):東京大学大学院情報理工学系研究科 先端人工知能学教育寄付講座特任教授、公立はこだて未来大学名誉学長。1952年、兵庫県生まれ。
1983年、東京大学大学院情報工学専門博士課程を修了後、同年、当時の人工知能研究で日本の最高峰だった電総研(通商産業省工業技術院電子技術総合研究所)に入所。協調アーキテクチャー計画室長、通信知能研究室長、情報科学部長、企画室長などを歴任。
2001年、産総研サイバーアシスト研究センター長。2004年、公立はこだて未来大学の学長となり、教育と後輩の育成、情報処理研究の方法論確立と社会応用に力を注ぐ。2016年3月、公立はこだて未来大学学長を退任後、同年6月、同大学の名誉学長に。

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