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“宮崎駿”もAI化できる!? ディープラーニングで「人間の知能」に迫る(8/8ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×川上量生(ドワンゴ会長) Part.2

2016.12.12

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「行ったり来たり」でAIは進化する

中島:僕は、論理には2通りあると思っています。今おっしゃったような部分の論理と、論理を使うことによって下位の空間が狭くなるような論理と、両方あると思うんです。

川上:そうですね。実際には、それこそ言語中枢なんかを使って、かなり狭めて、人間はやっていますからね。

――その話は、よく「右脳が直感的把握で、左脳が論理的思考」と言われている話に近いのでしょうか。

中島:本当に右脳と左脳で役割がちがうのかは、実はよくわかっていませんが、仮に右脳と左脳というかたちを借りて話すと、その間を1回行くだけじゃなく、いろんなレベルで行ったり来たりしながら、答えになっていくんだと思うんです。

――行ったり来たり?

中島:パズルでも、数学でも、解けた瞬間って、言葉になっていないと思うんです。「解けた!」というのが先にあって、それから「待てよ、ちゃんと数式にしていくと……ああ、解けていた」って。あるいは「解けたけど、なんかよくわかんないや」って。だから、先に道がぱっと見えて、論理でつなぐのは、あとなんです。その「行ったり来たりする」というのが、今後、やらなければいけない話だと思っています。

――なるほど。

中島:ただ、ディープラーニングで答えを出して、あとから論理を抽出するという順序も、逆に、論理だけで答えを出して、それをディープラーニングに食わせるというのも、なんか、どっちもダメな気がします。

川上:たぶん、内部だけで使う論理と、外部とも共有する論理に、何かちがいがある気がしますね。

中島:頭のなかでやっているのと、言葉にするのとで、ちがっている。

川上:そうですね。

中島:世の中って、なんか、すごく単純化するじゃないですか。論理だけでやっている、とか、パターンだけでやっている、とか。行ったり来たりも、せいぜい1回とか、2回とか……そんなものじゃない気がするんです。

【次回予告】
 ディープラーニングで“宮崎駿”のAIをつくれるか、ディープラーニングは“暗黙知”の壁を超えられるかなど、刺激的な議論を展開した中島氏と川上氏は、次回、「AIに経営判断を任せられるか」など、AIがどこまでビジネスに活用できるかについて討論します。

中島 秀之(なかしま・ひでゆき)
中島 秀之(なかしま・ひでゆき)

東京大学大学院情報理工学系研究科 先端人工知能学教育寄付講座特任教授、公立はこだて未来大学名誉学長。1952年、兵庫県生まれ。1983年、東京大学大学院情報工学専門博士課程を修了後、同年、当時の人工知能研究で日本の最高峰だった電総研(通商産業省工業技術院電子技術総合研究所)に入所。協調アーキテクチャ計画室長、通信知能研究室長、情報科学部長、企画室長などを歴任。2001年、産総研サイバーアシスト研究センター長。2004年、公立はこだて未来大学の学長となり、教育と後輩の育成、情報処理研究の方法論確立と社会応用に力を注ぐ。2016年3月、公立はこだて未来大学学長を退任後、同年6月、同大学の名誉学長に。

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