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“宮崎駿”もAI化できる!? ディープラーニングで「人間の知能」に迫る(2/8ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×川上量生(ドワンゴ会長) Part.2

2016.12.12

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AIにも「人生最高の◯◯」と思えるのか

――なぜ、川上さんは、できると思うんですか。

川上:何をもって「美しい」と思うのか、何をもって「美味しい」と思うのか、ディープラーニング的な世界観で理解する必要があると思うんです。よく似た話で「初めて見たものが人生で一番きれいで、初めて食べたものが人生で一番美味しい」という現象がありますよね。

中島:ありますね。

川上:それって、ディープラーニングでも起こることだと思うんです。いろんな経験や学習をしていく中で、ある理想的な特定のパターンに反応するものができていて、それを部分的なものとして学習して、そういうデータが来たときに、たとえ統合された形で与えられなかったとしても、一番反応するような回路というのは、ディープラーニングで形成しうると思うんです。

中島:ほぉ。

川上:人間が初めて経験したものに対して「一番美しい」とか「一番美味しい」と感じる現象は、おそらく、そういう機構で起こっていると思うんです。これは、ディープラーニングでほぼシミュレーションできていると言ってもいい領域だと思います。

――なるほど。

川上:もちろん「ある特徴量の取り方でやると、そういうことはできない」という考え方は、ありうると思います。けれど、特徴量の取り方を工夫すれば、料理においても「こういうのに人間は反応するんだから、世の中のデータにはないけれど、このパターンは最も反応するはずだ」というふうに仮設を立てて、実際にそうだという現象が、十分、起こりうると思います。

中島:そういう言い方で言われれば、そこを「ダメ」っていうのは難しいですけど(笑)。

川上:そうですね(笑)。

中島:要するに、身体性が一番の問題なんだけど……。

川上:それが問題です。

中島:体がちがうから、その辺の覚え方っていうんですか、一般化の仕方もちがうだろうと思うんです。ただ、これを言うと、人工知能の研究を始めた最初の頃に「生物じゃないものに知能があるわけない」と言っていた人と同じ議論になるので、身体性だけを強く推すわけにもいかないんですけどね(笑)。

川上量生(かわかみ・のぶお):カドカワ社長、ドワンゴ会長、KADOKAWA取締役。1968年、愛知県生まれ。
京都大学工学部を卒業後、ソフトウェア企業での7年間のサラリーマン生活ののち、IT関連企業のドワンゴを創業。社長や会長を歴任し、2004年、同社を東京証券取引所第一部に上場させた。2011年、スタジオジブリ入社し、鈴木敏夫の見習いとなる。2013年、庵野秀明が代表取締役を務めるカラーの取締役に就任し、2014年にKADOKAWA・DWANGOの会長、2015年には同社の社長に就任するなど、八面六臂の活躍を見せる。2016年、ドワンゴの会長として、他7社とともに東京大学に人工知能に関する寄付講座を設立した。

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