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AIの進歩が社会に求める変革とは(1/9ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×川上量生(ドワンゴ会長) Part.1

2016.12.07

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はじめに……

 いま、人工知能、いわゆる「AI(Artificial Intelligence)」が、劇的な進化を遂げています。5年前、AIは人気クイズ番組で人間のチャンピオンを打ち負かし、2016年3月、世界トップ級の囲碁の棋士がAIに完敗しました。AIによる自動車の自動運転や医療診断は実用化段階に入り、IoT(Internet of Things)の普及も相まって、欧米や日本でもAIによる製造業の「インダストリー4.0(第4次産業革命)」が進んでいます。
 ビジネスの効率化、日常生活の利便性や安全性の向上など、AIには大きな可能性やメリットが期待される半面、仕事を奪われる不安や、AIの知能が人間を超えてしまうシンギュラリティ(Singularity:技術的特異点)への恐怖など、深刻なリスクやデメリットを指摘する声もあります。
 そこで今回、AIとは何かを具体的に理解し、AIによる社会環境の変化を予測するヒントとなるような連載を始めることにしました。コラムのホストは日本のAI研究をけん引してきた第一人者で、人工知能学会フェロー、公立はこだて未来大学名誉学長、そして現在は東京大学先端人工知能学教育寄付講座特任教授の中島秀之氏です。
 毎回、AIと深い関連のあるオピニオンリーダーや、AIによる革命が目前に迫る産業界の方々などをゲストにお招きして、「AIとは何か」「自分たちの暮らしにどう関係してくるのか」「人間の知能以上に進化したAIが浸透した社会にリスクはないのか」「AIで実現する未来はどんな世界なのか」などについて、中島氏と楽しく、わかりやすく、ときには、大胆かつスリリングに“とことん”語り合っていただきます。

 第3回の対談は、ドワンゴを創立し、ニコニコ動画を世に出したメディア界の風雲児・川上量生氏です。
 プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトとの非公式棋戦「電王戦」をドワンゴ主催で立ち上げ、現在は、一般棋戦「叡王戦」を主催し、その優勝者と電王トーナメントの勝者のコンピュータ将棋ソフトを戦わせるなど、人工知能vs棋士の戦いをプロデュースする川上氏は、2016年6月、ドワンゴの会長として、トヨタ自動車、オムロン、パナソニック、野村総合研究所、DeNA、みずほフィナンシャルグループ、三菱重工業の計8社とともに、東京大学に「先端人工知能学教育寄付講座」を設立しました。同講座は、年間約150人に最新技術である「ディープラーニング(深層学習)」などに関する講義や演習の講座を5年間実施して、人工知能の研究者や優れた人材を育成するものです。
 ビジネスへの人工知能の活用に積極的な川上氏と、AI研究のパイオニアである中島氏が、ディープラーニングの可能性に関する意見のずれや、AIの実用化に関する見解の相違など、人工知能や人間の知能に対する考え方のちがいについて、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を展開しました。

(左:ドワンゴ会長の川上量生氏、右:東京大学特任教授の中島秀之氏)

(文・構成/佐保 圭、写真/涌井タダシ、協力/高柳 浩=公立はこだて未来大学 客員教授)

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