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AIの進歩が社会に求める変革とは(2/9ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×川上量生(ドワンゴ会長) Part.1

2016.12.07

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人工知能の寄付講座はこうして生まれた

――川上さんが会長を務めていらっしゃるドワンゴは、他7社とともに、人工知能の研究者育成を目的とした寄付講座を東京大学に設置されました。まずは、中島先生も教鞭をとられているこの寄付講座についての話からお願いします。

中島秀之氏(以下、中島):あの寄付講座は、もともと、どんな経緯で始まったんですか。

川上量生氏(以下、川上):人工知能ブーム、ディープラーニング・ブームが今ほど起こっていなかった頃に「ディープラーニングの時代が来る。その研究をやらなければいけないんだけれど、みんなに過去の人工知能に関する記憶が残っていて、『人工知能』という言葉に拒否反応が出てしまう。なんとかできないのか」というような相談を松尾先生から受けまして。

――松尾先生とは、現在、人工知能学会の倫理委員長を務めている東京大学大学院の松尾豊准教授ですね。

川上:ええ。そのとき、松尾先生が「海外ではこんなに人工知能やディープラーニングが進んでいるんだ」という話をされて、「何か、世の中の興味がディープラーニングに向くように、できることは協力しましょう」ということで、始まりました。

――トヨタ自動車なども参加して、結局、寄付金は計9億円にまでなりましたが、どのようにして規模を拡大したんですか。

川上:日本の基幹産業である自動車産業、その将来を担う技術の一つである「自動運転」へのディープラーニングの応用で、もし日本が遅れをとるようなことになったら、たいへんなことになる……ということで、トヨタさんに旗を掲げていただくと物事が動くんじゃないか、と考えました。

中島:なるほど。

川上:たまたまスタジオジブリの鈴木敏夫さんのところに弟子入りしていたんですけど、鈴木さんとトヨタの内山田竹志会長が親しかった。

中島秀之(なかしま・ひでゆき):東京大学大学院情報理工学系研究科 先端人工知能学教育寄付講座特任教授、公立はこだて未来大学名誉学長。1952年、兵庫県生まれ。
1983年、東京大学大学院情報工学専門博士課程を修了後、同年、当時の人工知能研究で日本の最高峰だった電総研(通商産業省工業技術院電子技術総合研究所)に入所。協調アーキテクチャー計画室長、通信知能研究室長、情報科学部長、企画室長などを歴任。
2001年、産総研サイバーアシスト研究センター長。2004年、公立はこだて未来大学の学長となり、教育と後輩の育成、情報処理研究の方法論確立と社会応用に力を注ぐ。2016年3月、公立はこだて未来大学学長を退任後、同年6月、同大学の名誉学長に。

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