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羽生善治三冠、生存本能に縛られないAIは「創造的」たりうるか(1/6ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×羽生善治(将棋棋士) Part.3

2016.11.07

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 「生き残りたい」という防衛本能、すなわち、生存本能を持つかどうかで、将棋の指し手まで変わる人間とAIの違いを論じた中島氏と羽生氏は、真に創造的なものが誕生するためには、AIが得意とするランダムさだけでなく、“2番目に踊り出す人”が必要という興味深い対談をくり広げていきます。

(左:将棋棋士の羽生善治氏、右:東京大学特任教授の中島秀之氏)

(文・構成/佐保 圭、写真/涌井タダシ、協力/松原 仁=公立はこだて未来大学副理事長、高柳 浩=公立はこだて未来大学 客員教授、撮影協力/日本ビジネスシステムズ)

「6ばかり選び続けた生物の種」は、おそらく生き残っていない

中島秀之氏(以下、中島):いろんな意味で、多様性が大事と言いますが、生存率が6:4の2つの選択肢があったら、生き残ろうと思うと、やっぱり6の方に行きますよ。

羽生善治氏(以下、羽生):そうですね。でも、6:4で、6ばかり選び続けた生物の種は、おそらく生き残っていない。たまには、ちがう方に行かないとだめなんですよね。

中島:生物の場合は、ものすごく多くの数の個体がいるから、6ばかり選ぶやつのほかに、たまに4を選ぶやつとか、4ばっかり選ぶやつとかも出てきます。その結果、全体で6:4くらいの割合で残るということで、個人の選択とは若干変わると思うんです。「生き残ろうとする本能」でいうと、生き残る確率の多い方に行くのが、ある意味、正しい選択ですから。

羽生:気が付かずに4を選んでいる個体もあるように思えます。

中島秀之(なかしま・ひでゆき):東京大学大学院情報理工学系研究科 先端人工知能学教育寄付講座特任教授、公立はこだて未来大学名誉学長。1952年、兵庫県生まれ。
1983年、東京大学大学院情報工学専門博士課程を修了後、同年、当時の人工知能研究で日本の最高峰だった電総研(通商産業省工業技術院電子技術総合研究所)に入所。協調アーキテクチャー計画室長、通信知能研究室長、情報科学部長、企画室長などを歴任。
2001年、産総研サイバーアシスト研究センター長。2004年、公立はこだて未来大学の学長となり、教育と後輩の育成、情報処理研究の方法論確立と社会応用に力を注ぐ。2016年3月、公立はこだて未来大学学長を退任後、同年6月、同大学の名誉学長に。

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