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羽生善治三冠、AIの進歩が「人間の認識」と「社会の制度」を変える(4/8ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×羽生善治(将棋棋士) Part.1

2016.10.24

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現実化する「脳型コンピュータ」

中島:カーツワイルのすごいところは、早くなるということを、いろんなデータを使って、グラフを使って実証してみせているところだと思うんです。

羽生:様々な分野を縦横無尽に横断して説明している所は圧巻だと思います。

中島:そこで、一番大きいのは、「知識の集積」だと思うんですよ。今までのすべての知識を我々は知っているわけですよね。

羽生:今までは知識は散在していてそれぞれが専門として独立していた印象はあります。

中島:そうすると、知識が少なかった頃に、たとえば、ニュートンの時代に万有引力の法則を見つけるとき、どれくらいかかったか知らないけれど、ある程度の時間はかかっていますよね。

羽生:確かにそうですね。

中島:ところが、そういうことを習ったあとで物理学を考えていくと、そもそも、考えるスピードがちがってきます。

羽生:最初のスタートラインから、過去と現在は大きなちがいがありそうです。

中島:そうすると、今までのテクノロジーの蓄積のすべてを持っていれば、それだけで加速度的に進んでいくわけです。加速度的に進んだテクノロジーや知識をまた集積するから、加速度の二乗みたいなかたちになってくるというのは、たぶん、一般論として正しい。

羽生:多くの分野の知識から新たなアイデア、イノベーションが生まれる可能性も高まっていると確かに思います。

中島:我々はいま、過去から今までのすべての知識を使える立場にいるわけですから、前と同じスピードでやっていたら、それはおかしい。

羽生:ただ、たとえば集積回路の話にしても、どんどん、どんどん、小さくなっていって、やがて、最小というか、これ以上小さくはできないところにたどりついてしまうことはあると思うんです。そうすると、また何か、ちがうものが出てくるのではないか、と。

中島:真空管から、トランジスタに変わって、次は量子コンピュータというふうに。

羽生:そのあたりは、どう変わっていくんでしょうか? 今まではノイマン型でしたが、今後は非ノイマン型が主流になるのでしょうか?

中島:AIで言うと、いま、非ノイマン型がかなり現実的な形になりつつあると思います。「脳型コンピュータ」という言い方をしていますけど。

脳型コンピュータ
人間の神経細胞の働きを電子的に再現したコンピュータ。米IBMなどが開発している。学習機能を持っているのが特徴。

羽生:はい。

中島:その1つが「ディープラーニング」です。あれは、入り口の入り口で、画像認識のところだけですけれど、あれがいろいろできるようになると、そのあともすごくラクになるので、そこから先も変わってくると思うんですよね。

羽生:機械学習を洗練させた深層学習は様々な分野で使われていて、今後もその勢いは増しそうですね。

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