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羽生善治三冠、AIの進歩が「人間の認識」と「社会の制度」を変える(3/8ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×羽生善治(将棋棋士) Part.1

2016.10.24

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物質、エネルギー、情報は人類の三大革命

羽生:ただ、新しいニュースもたくさん出てくるし、どんどん技術も変わっていくので、実際、本当に最先端のところで何が起こっているのかは、よくわからないんです。

中島:実は私もそんなに実感はないんですけど、状況証拠からみると、近いうちにすごくとんでもないことが起こるっていうのは、最近、だんだん、ありそうな気になっています。

羽生:それはどういった理由からでしょうか?

中島:ずいぶん前から情報の分野の研究をやってきた私からすると、世の中の人は、情報の力をあまり認めていない気がしていました。ですから、以前から『物質、エネルギー、情報は、人類の三大革命だよ』と言ってきたんです。

羽生:情報がそうであると認識している人は、まだ少ないかもしれませんね。

中島:これまで、どれくらいの間隔で革新的なことが起こってきたのかについて、よくよく考えてみると、最初は、人類が誕生してから百万年後くらい後に始まった狩猟社会で、その場にいるものを獲って食べていた。農業ができたのは、一万年前くらい。つまり、二桁ぐらい減った間隔で、物質を自分たちで生産し始めた。エネルギー革命に至っては、数百年前、18世紀後半の産業革命からです。

羽生:確かにスパンはずいぶんと変わってきているのですね。

中島:そして、情報の革命は、ここ数十年のこと。つまり、物質、エネルギー、情報の革命の起こる間隔は、だんだん、早くなっている。そう思うと、計算上、次は数年後です。

羽生:指数関数的に進歩を遂げているということでしょうか?

中島:だから、次に何が来るのかはわからないけれど、早くなっているというのは認めざるをえないのかな、と。「今度の革命だけはゆっくりだよ」という話は、ないですから。

羽生:コンピュータの世界だと、よく使われるのが「ムーアの法則」ですね。

中島:ええ。

羽生:カーツワイル氏が言っているのは、別にそれはコンピュータの世界だけじゃなくて、ほかのテクノロジーの世界でも、同様のスピードで変化や進化が続いていると言っているわけですが、この点についてはどうなんでしょうか。つまり、コンピュータが進化するから、それに伴って、そのほかの進化も同じようなスピードになっていくところも、あるのかもしれないですし。

羽生善治(はぶ・よしはる):将棋棋士。2016年10月18日現在、王位・王座・棋聖の3冠。1970年、埼玉県生まれ。
小学校1年生のとき、同級生から将棋の駒の動かし方を教わって将棋を始める。1982年、奨励会入会試験に合格。1985年、四段に昇段してプロに昇格。史上3人目の中学生棋士となる。
1996年2月、将棋界で初の7タイトル独占を達成。現在、全7タイトルのうち竜王を除く6つでの永世称号の資格を保持。さらに名誉NHK杯選手権者の称号を保持し、7つの永世称号の保持は史上初。

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