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シンギュラリティで人類はどうなるのか(3/7ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×松原仁(公立はこだて未来大学 教授) Part.3

2016.08.08

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「ソサエティー5.0」は数年で終わる!?

――シンギュラリティの「人間が生物的進化の限界をテクノロジーの進歩で超える」という意味について、もっと詳しく教えていただけますか。

中島:いま、「ソサエティー5.0」ってあるじゃないですか。あれは、最初の「1.0」が狩猟社会、次の「2.0」が農耕社会、「3.0」の工業社会、「4.0」の情報社会と続いていく。これらは、かかった時間で考えると、狩猟社会は人類の歴史とともにあるから数百万年、農耕社会は縄文時代以降で数万年、工業社会は数百年、情報社会は数十年となります。そう考えると、次の「ソサエティー5.0」は、数年です。そのような成長曲線で、それぞれが発展してきたわけです。

――AIが進歩して、社会がそこまで加速してしまったら、人間は、果たして「ソサエティー5.0」の進歩についていけるのでしょうか?

中島:いや、だから「AIが進歩して」ではなく、人間がそうなるっていう話です。

――AIではなく、人間が進化する?

中島:たとえば、狩猟社会では、そこにあるものを獲っていたから、それほど急速な社会の発達はなかった。農耕社会になって、少し富が集まるようになったから、成長曲線が少しだけ急勾配になった。工業社会でエネルギーを使うようになると、成長曲線はさらに急速に上がるようになって、情報社会ではもっと加速して、いよいよこれからは、AIの技術の進歩によって、社会の成長曲線が特異点に達する......というのが「シンギュラリティ」の意味するところです。

――技術が進歩して社会が成長しても、その速度に合わせて人間が進化しているわけではないですよね?

中島:ただ、社会も技術も、つくっているのは人間ですから。

松原:AIも人間がつくったものなので。

中島:ほら、スマホがあれば、我々は賢くなったでしょ? AIを使うのと同じで、情報量は爆発的に増えた。

松原:スタンリー・キューブリック監督のSF映画『2001年宇宙の旅』の冒頭に、類人猿が何か道具を手に入れるシーンがあります。あれの延長線上で、今は、それがスマホだということになる。「2045年にはAIに意思決定を乗っ取られる」という話ではなくて、今でも、すでにかなりの意思決定がスマホに任されている。「食べログ」をみたり、知らない街へ行くときに「乗り換えアプリ」を使ったり、スケジュール管理も、手帳ではなくスマホのアプリに入っていて......そういう変化がだんだんと進んできて、気がついたら、意思決定のかなりの部分はスマホに頼っているますよね。

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