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AIの弱点と「暴走」への恐怖(4/8ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×松原仁(公立はこだて未来大学 教授) Part.2

2016.08.01

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SFだったAIがSF小説を書く日

――新しい料理をつくることはできないかもしれませんが、お二人の関わられているAIは、新しい小説を書くことができましたね。

松原:星新一賞の話ですか。

――はい。今年3月、松原先生たちがAIに書かせた小説が、人間の応募作と並んで一次審査を通過したというニュースには、本当に驚かされました。

日経「星新一賞」(日本経済新聞社主催)は、理系的な発想に基づくショートショートおよび短篇小説を公募する文学賞として、2013年よりスタートした。受賞作は、日本経済新聞社より無料で電子書籍配信される。松原氏ら公立はこだて未来大学の教授陣は「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」でAIに書かせた短編『コンピュータが小説を書く日』など2編を第3回の同賞に応募。2016年3月、少なくとも1編が見事に1次審査を通過して、ニュースとなった。

中島:たしかに、私たちはAIにショートショートを書かせようとしているんですけど……松原さんは、人が感動する小説を書けるなんて、思っていないでしょ?

松原:正直に言えば、あんまり思っていません。偶然、読んだ人が感動することはあるだろうけど。

 

――AIには「感動させる小説を書く」という芸術的な創作活動はできないということですか?

松原:広い意味では、小説も芸術作品かもしれないけど、狭い意味だと、小説は、絵や音楽ほど芸術ではないと思っています。作品を創作するというよりも、AIで文章を生成する……という感じでしょうか。

――しかし、AIの書いた作品が、1次審査を通過したわけですよね。

松原:ええ。

――応募総数は?

松原:2000から3000だと思います。

――それなら、やっぱり一次審査を通っただけでも、すごいと思います。もうそんなことまでできるのなら、受賞するのも時間の問題ではありませんか?

中島:人間は、基本的に、自分の人生経験に基づいて小説を書きます。私は「この事態をこういう目でみるのか!?」という別の視点を提示してくれるから小説が好きなんですけど、AIに小説を書かせるときは、そういうことをやってるわけじゃないんです。

記者:どういうことをしているんですか?

中島:現段階では、形の上の操作で話の辻褄が合うようにしているので、最終選考に残るのは、かなり難しいんじゃないかな。

松原:ストーリーの大枠は、ほぼ人間がつくっています。

中島:その文章化だけ、AIがやっている。

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