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AIの弱点と「暴走」への恐怖(2/8ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×松原仁(公立はこだて未来大学 教授) Part.2

2016.08.01

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「料理」は「創薬」よりも難しい?

――たとえば、どんなことですか?

中島:料理かな。

――人間が材料や作り方を指定するのではなく、レシピの段階からつくるのは、さすがのAIでも難しそうですね。

松原:でも、IBMのワトソンって、料理もつくるんじゃなかったっけ? たしか、レシピも……。

中島:ディープラーニングでいろんな味を学習して、そのデータをもとに、美味しい料理を真似ることはできると思う。でも、創作料理ができるかっていうと、ちょっとわからない。たとえAIが新しい素材と調理法の組み合わせを試したとしても、出来上がった料理の味が美味いかどうか、AIはどうやって判定するのか、そこが難しい。

松原:AIを使った創薬の研究もあるじゃないですか。ある程度、創薬でうまくいくなら、創作料理でも、うまくいくかもしれない。

中島:創薬は、たんぱく質の働きとか、シミュレーションができるから、AIでもうまくいっているんじゃない? 

松原:これとこれをこう炒めたら、どういう味になるかって……料理の場合、シミュレーションは難しいかな。

中島:「味のシミュレーションができる」というのと、「料理がどういう性質を持っていると人間は美味しいと感じるかがわかる」というのは、同じではないからね。

松原:ロボットは味覚を持っていないからなぁ……薬より難しいかもしれない。新しい料理のレシピを発明するのは、いまのAIにはできないでしょうね。

松原仁(まつばら・ひとし):公立はこだて未来大学副理事長 システム情報科学部 複雑系知能学科教授。1959年、東京都生まれ。
1986年、東京大学大学院情報工学専門博士課程修了、同年、電総研に入所。1990年頃には、事例ベース推論(Case-Based Reasoning:CBR)の研究にも従事。中島秀之氏らの「協調」に関する研究にも協力している。
ロボカップ日本委員会会長、情報処理学会理事など、AI業界の要職を歴任。2000年、公立はこだて未来大学に着任して以降は、情報技術を用いた観光についての研究もしている。ちなみに、将棋はアマ五段の免状を持つ。

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