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【新連載】これからAIでできること、もうAIでできたこと(1/8ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×松原仁(公立はこだて未来大学 教授) Part.1

2016.07.25

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はじめに……

 いま、人工知能、いわゆる「AI(Artificial Intelligence)」が、劇的な進化を遂げています。5年前、AIは人気クイズ番組で人間のチャンピオンを打ち負かし、今年3月、世界トップ級の囲碁の棋士がAIに完敗しました。AIによる自動車の自動運転や医療診断は実用化段階に入り、IoT(Internet of Things)の普及も相まって、欧米や日本でもAIによる製造業の「インダストリー4.0(第4次産業革命)」が進んでいます。

 ビジネスの効率化、日常生活の利便性や安全性の向上など、AIには大きな可能性やメリットが期待される半面、仕事を奪われる不安や、AIの知能が人間を超えてしまうシンギュラリティ(Singularity:技術的特異点)への恐怖など、深刻なリスクやデメリットを指摘する声もあります。

いよいよAI界の巨人2人による「終わることのない人工知能の話」が始まる……(左:東京大学特任教授の中島秀之氏、右:公立はこだて未来大学教授の松原仁氏)

 そこで今回、AIとは何かを具体的に理解し、AIによる社会環境の変化を予測するヒントとなるような連載を始めることにしました。コラムのホストは日本のAI研究をけん引してきた第一人者で、人工知能学会フェロー、公立はこだて未来大学名誉学長、そして現在は東京大学先端人工知能学教育寄付講座特任教授の中島秀之氏です。

 毎回、AIと深い関連のあるオピニオンリーダーや、AIによる革命が目前に迫る産業界の方々などをゲストにお招きして、「AIとは何か」「自分たちの暮らしにどう関係してくるのか」「人間の知能以上に進化したAIが浸透した社会にリスクはないのか」「AIで実現する未来はどんな世界なのか」などについて、中島氏と楽しく、わかりやすく、ときには、大胆かつスリリングに“とことん”語り合っていただきます。

 記念すべき第1回の対談は、今年6月まで人工知能学会の会長を務められた公立はこだて未来大学教授の松原仁氏です。

 中島氏と並ぶ日本のAI研究の第一人者である松原氏は、コンピュータ将棋やロボットによるサッカーなど、ゲームにおける人工知能の研究を進められています。さらにAIに小説を書かせて「日経『星新一賞』」に応募するなど、幅広い活躍によりAI研究者のみならず、一般のAIファンからも注目を集めています。

 大学院時代には先輩と後輩、電総研(旧通商産業省工業技術院電子技術総合研究所、現国立研究開発法人産業技術総合研究所)時代には上司と部下の関係で、かれこれ30年以上の付き合いだという中島氏と松原氏の熱のこもった、いつ終わるか見当がつかない“AI談義”は、2011年2月、アメリカの人気クイズ番組「Jeopardy(ジェパディ)!」で歴代チャンピオンの2人に勝利したIBMのAI「Watson(ワトソン)」と、2016年3月、欧州チャンピオンのプロ囲碁棋士を打ち負かしたグーグルのAI「Alpha Go(アルファ碁)」の話題からスタートしました。

(文・構成/佐保 圭、写真/涌井タダシ、協力/高柳 浩=公立はこだて未来大学 客員教授、撮影協力/日本ビジネスシステムズ)

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