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【新連載】これからAIでできること、もうAIでできたこと(4/8ページ)

中島秀之(東京大学 特任教授)×松原仁(公立はこだて未来大学 教授) Part.1

2016.07.25

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AIが得意とする“職業”って何?

――ワトソンやアルファ碁で進化したAIは、私たちの実際の暮らしのなかで、何か役立っているのでしょうか?

松原:IBMのワトソンは、そもそもクイズ用だったはずなんだけど。

中島:クイズ用にチューニングしたものをつくって、医学用に再チューニングしたワトソンもつくられて、実用化されているけど……基本的には一緒でしょ?

松原:一緒。

中島:要するにワトソンは、インターネットを検索して、必要な知識を探してくるっていう『コグニティブ・コンピューティング・システム』の技術がベースになっている。

松原:その技術をクレーム処理に使って、銀行のコールセンターでの電話の対応なんかもやってるし、そういう意味では、ワトソンの『コグニティブ・コンピューティング・システム』は、万能ですね。

――ほかにも、ありますか?

松原:実際に、かなりAIが実用化されている例は、会計ですよね。

――会計?

松原:日本では、まだあまり実用化されていないけど、アメリカの会計士が人工知能に仕事を奪われているっていう話です。数万人会計士が失業したって、何かに書いてありました。たしか、5年くらい前の話だと思います。

――そんなに前から?

松原:アメリカの会計法は、日本の会計法とちがって、AI向きらしいんです……会計の詳しい話は、よくわからないんですけど(笑)。

中島:「エクセルでもできる」っていう話じゃないの?

松原:オンライン入力だったら、昔からある程度できたんだけど、会計の大事なところは、言ってみれば「合法的に税金を最小化すること」じゃないですか。

――……そうですね。

松原:僕は会計の専門家じゃないけど、聞くところによると、アメリカのAIのソフトは結構有能にできているらしいんです。だから、人間に高いお金を払って税金を節約するよりは、安いソフトを買って、それなりに節約できるから、みんなそっちにいっちゃったって。

――そうなんですか?

松原:会計って「決められたルール通りにやって、その範囲内で払う税金を最小化する」っていう目的もはっきりしているので、持ってこられる法律とかルールとかが決まっているわけですから、AIの得意な分野なんですよ。

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