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駆け出しエンジェル投資家・山本真司の起業家発掘日誌ビジネス

第2回 私は、誰の代理人(エージェント)か? 投資家? 起業家?(1/4ページ)

2015.09.17

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 外資系コンサルティング会社の経営者、経営戦略論の大学教授として活躍してきた山本真司(やまもと・しんじ)氏。その山本氏が今年(2015年)から、若手起業家のスタータップを支援する「エンジェル投資」事業を開始した。連載第2回では、山本氏がパッション・アンド・エナジー・パートナーズ株式会社を設立し、「エンジェル投資」事業を始めるに至った理由をご説明いただいた。

 2009年の頃だったと思う。東京の自由が丘の今はない、うまくて安いビストロに、友人2名と集まった。一人は、外資系大手投資銀行のマネージング・ディレクターを長年勤めている男。もう一人は、大手PE(プライベート・イクイティ)ファンドの経営者を経験した男。私の長年の友人だった。そこで出てきた話は、「ミドルキャップ(中堅企業)のPEファンド会社を立ち上げてみないかという話だった。私は、ちょうど、コンサルティング業の未来にあまり前向きな展望を描けなくなっていた時でもあり、この話は、結構響いた。いろいろな情報を教えてもらい、お金の出所、期待利回り、案件のソーシング(発掘)、投資テーマ、ターンアラウンド(収益改善戦略)の思想と手法、エクジット(投資資金回収)のイメージなどについて話を交わした。

山本真司・パッション・アンド・エナジー・パートナーズ株式会社代表取締役(写真撮影:加藤康、以下同)

 私の友人にも、2000年以降は、PEファンドの世界で働く人も多く、自然と情報は入ってきていた。20%のリターンで5-10年。できれば5-7年でエクジット。ミドルキャップのメーカーを対象に、グローバリゼーションとM&Aでのスケール拡大、ガバナンスの強化を投資テーマにしようか、上場中堅企業のMBO(経営陣による株式買い取り)も期待できるかもしれない。話は、広がり楽しかった。すっかり、その気になっていた頃に、PEファンド買収先のプロ経営者をやらないか、という話も複数いただいた。悩みに悩んだ。外資系経営コンサルティング業界20年のキャリアで、うち10年は、経営にも携わったし、大企業の大きな変革プロジェクトを複数成功裏にお手伝いすることもできた。少しは自信もあった。熟慮したが、結局これらの話はすべて断った。

 なぜ、断ったのか? 実は、ワクワクドキドキしなかったんですね。PEファンドの設立もプロ経営者も晴れがましく、かつ、自意識も満足できる仕事だと思った。手法も今まで培った経験が生きる。おまけに成功すれば、お金にも恵まれる。まさに、我が人生の総決算にふさわしいように見えた。でも、ワクワクドキドキしない。それは、自分のコアである経営コンサルティングの延長線上の人生にしか、思えなかったからだ。それよりはインターネットベンチャー、バイオベンチャーなど、当時流行っていたもののほうが良かった。それじゃあ、ベンチャーキャピタルをやろうかという気にもなった。

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