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バルミューダ・寺尾玄「“脱常識”家電メーカーのつくり方」ビジネス

倒産寸前・無名メーカーの扇風機が『アメトーーク!』でブレイク(1/4ページ)

製造資金のメド立たないのに注文を取る

2015.09.17

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 製造資金を得るために、1台だけの実機を持って行ったのは、銀行ではなく通販会社だった。3万円という、それまで存在しなかった高価格の扇風機を無名のメーカーが売るには、どうしたらいいか? 寺尾社長が目を付けたのは、あるテレビ番組だった。

銀行に行かず、注文を集めた

 のちにバルミューダのヒット商品となった扇風機「GreenFan」の試作品は最初、1台しかありませんでした。それも人から借りた資金でやっと製作した1台です。

 お金を貸してくれたのは、扇風機に使うDCモーターを供給してくれることになった会社の社長さんです。もちろんこの会社も、お金が余っていたわけではありません。われわれと同じようにリーマンショックで打撃を受け、赤字にあえいでいる状況でした。

バルミューダ・寺尾玄社長(撮影=中野和志)

 それでもGreenFanの話には乗り気でした。1個1000円程度のモーターユニットを売り続けるより、数万円で売れる扇風機に投資した方がいいという読みもあったのでしょう。前向きに話を聞いてくれ、「実機が1台でもあれば製品の良さが分かってもらえ、銀行も納得して資金を貸してくれるだろう」と言ってくれたんです。

 その社長がお金を貸してくれたおかげで最初の一台を作ることができたのですが、その一台を手にして僕が最初に実行したのは、銀行に行くことではなく、注文を取ることでした。製品を持って行ったところで、銀行からお金を借りことは、無理だと判断したのです。

 注文を取るといっても、どこからか? 目をつけたのはディノスのようなカタログ通販の会社です。というのも、カタログ通販は取扱商品を決定するのが早く、だいたい発刊の半年前くらいに決めて、その後掲載商品が変わることはほとんどありません。それが狙いでした。

 量販店はそうではありません。いま「置いてあげてもいいですよ」という返事をもらっても、半年後にはどうなっているかわかりませんから。

 GreenFanは売価が3万円と、それまでの扇風機よりはるかに高額です。それでも、実機を動かして、通販会社のバイヤーに風に当たってもらうと「音も静かで風もぜんぜん違いますね」と好感触でした。その結果、「こんな高い扇風機は扱ったことがないけれどやってみましょう」と通販会社数社から受注をもらったのです。

2010年発売当時の「GreenFan」(左)。現在販売しているのは、本体の部材から組み立てまで国内でまかなっている「GreenFan Japan」。金型を一新し、羽根以外全く新しい製品になっている
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