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「留職」という冒険に出掛けようビジネス

第9回 インドネシアの家庭向け食品を3カ月で作れるか?(ハウス食品グループ本社・前編)(1/8ページ)

2015.11.19

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 都市化が急速に進むインドネシアでは、若年層の地方離れに伴う農村の過疎化や農業の担い手不足が社会問題化している。ハウス食品グループ本社の渡邉岳夫氏は、留職先として選んだNGOからグーグルマップにさえ載っていない同国奥地にある農村に送り込まれた。与えられたミッションは「地域の特産品であるクリスタルグァバを用い、魅力的な商品を作り出す」こと。期限は3カ月。加工に必要な立派な設備などあるはずもなく、作業場は現地家庭の台所。コンロと包丁、鍋だけで、果たして村おこしの目玉となる加工食品を作れるのか?(インタビュー・文=荻島央江)

<プロジェクト概要>ケース4 ハウス食品グループ本社
・留職者:渡邉岳夫氏(33歳、入社11年目)中央研究所 基盤技術開発部
・派遣先団体:地方の若者の力で農村振興に取り組むNGO(インドネシア・ジャカルタ)
・派遣期間:2015年1~4月(3カ月)
・ミッション:インドネシアの農村部に暮らす人たちの収入向上に食の観点から貢献する

――なぜ留職プログラムに参加したいと手を挙げたのですか?

渡邉岳夫氏(中央研究所 基盤技術開発部)
[画像のクリックで拡大表示]

渡邉 私は入社以来、基礎技術の研究に携わっています。当社はこれまでカレーの味を決めるスパイスの原料にこだわってきました。ただ、原料の栽培までさかのぼるほどには十分に関われてはいませんでした。そのため次第に、「今後そこまで深く踏み込んだほうがいいのではないか、生産者の人たちがどんな考えでスパイスの原料を作っているかをもっと理解したい」と思うようになりました。

 いつだったか、インドネシアのある生産者を訪れたとき、その気持ちはますます強くなりました。地域によってはあくまでお金のために作っているところがある一方で、訪問先の農園では私たちが求めるものを熱意を持って作り続けてくれている。その姿勢に胸を打たれました。

 よく、「何々産の原料価格が上がってきたから、こっちに変えようか」といった話になるのですが、こちら側だけの事情で決めていいのか、疑問を持っていました。「本当に質のいい原料を安定して入手するには、生産者の方々と信頼関係を構築し、その産地の特徴を打ち出したり、課題があれば解決したりすることが欠かせないのではないか」――そう思っていたんです。

 新興国で数カ月間、現地の社会課題の解決に向けて活動する留職プログラムに参加することで、生産者とメーカーのあるべき関係のヒントをつかめるのではないかと考えました。

 私は研究員とはいえ、製品開発の担当ではないので「仕事が目に見える形になった」という経験がほとんどありません。入社して10年、自分が積み上げてきたスキルがどれくらい人の役に立つのかを試してみたいというのも、もう一つの参加動機でした。

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