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「留職」という冒険に出掛けようビジネス

第3回 家電メーカーは“電気のない地域”で何ができるか?(パナソニック・前編)(1/5ページ)

2015.06.04

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 NPO法人クロスフィールズが手掛ける「留職」プログラム。企業の社員を新興国のNPO法人に数カ月間派遣し、本業のスキルや経験を生かして現地の社会課題の解決に向けて活動する取り組みだ。留職プログラムがスタートして4年。現在では大手企業が続々と導入しているが、その第1号となったのがパナソニックである。
 入社10年目(当時)の山本尚明氏が派遣された先は、太陽光を活用した調理器具(ソーラークッカー)を生産し、無電化地域の住民に販売・提供するベトナムのNGO(非政府組織)だった。山本氏のミッションは「ソーラークッカーのコストを削減する」こと。これは、家電メーカーが電気のない地域で何ができるかという挑戦でもあった。
 「留職者は大きく成長して現場に戻ってくる」と話すのは、留職者を日本でバックアップする同社CSR・社会文化部の奥田晴久氏。実際、山本氏は今、留職経験を糧に、奥田氏と共に新興国のコンシューマ向け製品プロジェクトに取り組んでいる。
 ベトナムでの留職はどんなものだったのか。山本氏と奥田氏に話を聞いた。

(インタビュー・文=荻島央江)

ケース1:パナソニックの<プロジェクト概要>
・留職者:山本尚明氏(当時33歳、入社10年目)。スペース&メディア創造研究所に所属するプロダクトデザイナー
・派遣先国および団体:ベトナム。無電化地域でも使える調理器具、ソーラークッカーの生産・販売を手掛けるNGO。派遣先地域では主に薪を使って調理をしているが、その際に排出される煙が病気の原因になったり、森林伐採が拡大したりするなど社会問題化していた。薪に代わってソーラークッカーを普及させることで病気の発症の抑制や環境保護を目指す
・派遣期間:2012年2月(3週間)
・ミッション:ソーラークッカーのコスト削減で、現地の環境問題に寄与する

――これまでに何人が留職プログラムに参加したのですか

留職者第1号となったスペース&メディア創造研究所所属の山本氏(左)と、日本で留職者のサポート役を務めるCSR・社会文化部の奥田氏(右)
[画像のクリックで拡大表示]

奥田 2012年2月に初めて社員を現地に派遣して以来、10人以上が参加しています。また留職に加え、クロスフィールズが手掛ける「BOP(*1)課題解決ワークショップ」も導入しています。これは、新興国の現場で活動するNPOのスタッフを招いて話を聞き理解を深めた上で、4、5人のチームで現地の社会課題を解決する事業プランを策定するというものです。こちらは導入から2年あまりで5回ほど実施しています。

*1 BOPとはBase of the Economic Pyramidの略。1人当たりの年間所得が2002年購買力平価で3000ドル以下の階層を指す。全世界人口の約7割、約40億人が属するとされる。

――積極的ですね。効果のほどはいかがですか

奥田 当社では、自らの意思で手を挙げた人に参加してもらっています。他の導入企業と異なるのは、主管部署がCSR部門で、あくまでCSR(企業の社会的責任)の一環で実施するボランティア活動の一つであると位置付けている点です。このため現地での宿泊費、航空券代は参加者持ちで、しかも自分の休暇を利用して行きます。もともとモチベーションが高い社員が参加するので、プログラム終了後は顔つきが目に見えて変わりますね。

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