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「留職」という冒険に出掛けようビジネス

第3回 家電メーカーは“電気のない地域”で何ができるか?(パナソニック・前編)(3/5ページ)

2015.06.04

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新興国ならではの"野性さ"や向学心に圧倒された

――派遣されたのはベトナム・ダナンのNGOでしたね

山本 太陽光を活用した調理器具であるソーラークッカーを生産し、無電化地域の住民に販売・提供するNGOです。たたき上げの創業者が強烈なリーダーシップを発揮している組織で、刺激的な日々を過ごしました。

ソーラークッカーの現地ユーザーを訪問し、話を聞く
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――山本さんに与えられたミッションは?

山本 そのNGOはソーラークッカーを広く普及させたいが、いかんせん生産コストが高く、大規模な展開ができないという課題を抱えていました。「製造方法の見直しやデザインの変更など、コスト削減の方法を一緒に考えてほしい」というのが先方のニーズでした。

――ミッションの達成に向け、期間が3週間と限られた中でどのように活動したのですか

山本 私の普段の業務は、R&D部門・事業開発部門と連携して、新規商品やサービスのプランニングをすることが中心です。

 技術者でも設計者でもないので、あくまでデザインと企画の観点から、改良と商品の魅力向上への提案をしようと考えていました。ところが、現地入りして2週目くらいに「提案だけではなく、それを一緒に作り上げてこそ意味がある。君の延泊費は負担するから、作り上げるまでいくらでもいなさい」という話になったのです。それから先は、日にちの感覚がなくなるほど、試作と改良という作業に没頭しました。

山本氏はベトナム・ダナンに3週間滞在し、活動した
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 図面を書いたり、製作のモック屋さんに発注したりといった経験はありましたが、まさか自分でアルミの板を切る作業を専用の道具もなしにやるとは思ってもいませんでしたね。

 普通、作るときには図面があると思いますが、「僕はそういうのを書かない主義だ!」とNGOの代表は言う。要は、図面を作る道具がないのです。自作の道具で図面なしに部品を作り、組み立てていく。新興国ならではの"野性のエンジニアリング"をまざまざと見せられました。条件が整っていなくても工夫してものを作っていく。そのゼロからイチをつくる力や向学心に圧倒されました。

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