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「留職」という冒険に出掛けようビジネス

第2回 日本企業に「新風」を送りたい――NPO法人クロスフィールズ代表理事・小沼大地氏(4/4ページ)

2015.05.21

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NPOだからと低収入に甘んじる必要はない!

――NPOを「かっこよく働ける場所にしていきたい」とか

 NPOで働くことのスタンダードを上げる、クロスフィールズをそのロールモデルにする。それも私のミッションだと思っています。米国の大学生就職ランキング(文系)では、NPOがベスト10に二つ入っています。翻って日本はどうか。一つも入っていないどころか、かつてのNPO職員の平均年収は200万円と言われ、男性に寿退社があったと聞きます。NPOの収入だけでは夫婦2人は食べていけないので、結婚を機に企業へ就職するというわけです。

 自分の生活を犠牲にせず、自分のやりたいことができる仕事として広めていきたい。例えば、クロスフィールズの場合、職員募集で提示している給与は年収420万円から。これに賞与を加えた金額になります。おそらく10年前であれば「年収は420万円です」と言ったら、「NPOなのに高すぎる!」と槍玉に挙がっていたでしょう。今はだいぶ変わってきていて、給与の金額で批判を受けることはないですね。

 欧米のNPOの給与水準は高く、CEO(最高経営責任者)クラスであれば年収は2000万円から5000万円程度。日本も遅かれ早かれそうなるのはないでしょうか。自分自身がそれだけの報酬が欲しいかどうかは別にして、強固な組織をつくり、職員に相応の給与を支払えるようになったら、「NPOだからと言って低収入に甘んじる必要はない」という部分は声を大にして言いたいと思っています。

――最後に、これからの展望を教えてください

 留職プログラムの活動が、日本企業がこれから変化を起こしていく上での「新しい風」になればと考えています。今回お話したように、これまで日本企業がほとんど接点を持ってこなかったNPOという存在とつなげることにこそ、留職の意義があります。

 この両者は、「社会に対して価値を提供する」という点では本質的に共通しています。この共通項を認識することにより、日本企業で働く人たちに熱狂が生まれ、その熱狂を起点として、社会に対して新たな価値を届ける事業が生み出されていくと私たちは信じています。留職によって、そんな新しい風を日本企業に届けたいのです。



――次回からは、実際に留職プログラムを導入した企業のケースを個別に紹介していく。最初に取り上げるのは、留職導入第1号企業であるパナソニック。ご期待ください。

特定非営利活動法人(NPO法人)クロスフィールズ
 所在地:東京都品川区
 設立:2011年5月3日
 職員数:11人
 事業内容:新興国「留職」プログラムの企画・運営事業など
 Webサイト:http://crossfields.jp/
荻島 央江(おぎしま・ひさえ)
荻島 央江(おぎしま・ひさえ)

 ライター&エディター。埼玉県生まれ。食品販売会社在職中に映画紹介・評論記事の執筆活動を開始。2002年からフリーランスとなり、情報誌や女性誌などで取材・執筆を手掛ける。現在はビジネス誌を中心に活動しており、「日経トップリーダー」や「日経メディカルオンライン」などに執筆。著名経営者へのインタビューや中小企業のルポを得意とする。著書に『ジャパネットからなぜ買いたくなるのか?』『「社長、辞めます!」』(ともに日経BP社)がある。

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