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「留職」という冒険に出掛けようビジネス

第2回 日本企業に「新風」を送りたい――NPO法人クロスフィールズ代表理事・小沼大地氏(3/4ページ)

2015.05.21

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NPOは「社会の現場を知り尽くしたエキスパート」

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――「NPO法人」として組織を運営している理由は?

 クロスフィールズは「留職」プログラムの企画・運営を手掛け、企業から対価をいただいています。非常に事業性の高い活動であり、株式会社での事業運営も可能な事業モデルです。ですからNPOである必然性は必ずしもありません。それでもNPO法人を選択したのは、単純に、NPO法人で経営した方が「留職」の事業を推進しやすいと考えたからでした。

 まず、株式会社とNPO法人では、とりわけ留職者の受け入れ先となる新興国の団体に与える印象が全く異なることが挙げられます。企業だと「営利目的か?」と警戒されがちですが、NPOだと「留職先の団体と一緒になって社会を良くしていきたい同志」として受け入れてもらいやすいことが大きなメリットだと思っています。

――NPO法人であることが逆にネックになることはありますか?

 実は当初、それをすごく恐れていまして、立ち上げ時には「株式会社クロスフィールズコンサルティング」と「NPO法人クロスフィールズ」の二つを設立しました。その理由の一つとして、企業が株式会社でないと契約してくれないのではないかと考えたからです。

 結果としてそれは杞憂でした。2011年のスタートからこれまで20社以上の企業とお付き合いをさせていただいていますが、NPO法人であることがハードルになったことは一度もありません。日本社会におけるNPO法人に対する理解が進んでいるのだなと感じます。株式会社はもう必要性がなくなったので、休眠させました。

――NPOと株式会社とでは具体的に何が違うのですか

  よく誤解されるのですが、利益を出してはいけないのではありません。株式会社は利益を関係者で分配できますが、NPOは分配できません。利益は事業に再配分、再投資するのがルールです。株式会社との違いはそれだけです。

 すなわち、NPOは「今年はすごく利益が出ました。寄付者のみなさん、これが配当です」ということはできません。もうかったときは次の事業に投資したり、商品やサービスの価格を下げたりするなど、より組織を拡大させる方向性にお金を使う必要があります。例えば、社員の給与は事業に対する投資なので、次年度の社員の給与を増やすのも、選択肢としてはありです。その分、優秀な人材の確保ができますからね。

 NPOをNonprofit Organizationと訳さずにNot-for profit Organizationと略すと、このことの意味が伝わりやすいかもしれません。NPOは利益を生み出すために存在するのではなく、社会的ミッションを果たすために存在する組織体です。社会的ミッションを果たすために、必要な利益を出しているのです。

 NPOは営利目的の活動には抵抗を示す、ビジネスとは縁遠い存在というイメージがあります。社会貢献活動のパートナーでしかないと見られるときもあります。ですが、欧米の先進企業の経営者はNPOを「社会の現場を知り尽くしたエキスパート」ととらえ、合弁事業をつくるなどの連携も実施しています。私は企業がNPOと協働することの意義を新しいメッセージとして企業に伝えていきたいですね。

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