改めて振り返ってみると、日本のインバウンド市場はすごい勢いで拡大してきた。少し前までは年間500万人だった訪日外国人客が4倍の約2000万人になり、街の風景は一変した。これほど多くの外国人が街中を歩いている姿を見たことは、以前はなかった。

マクロの環境を整え、ミクロの対策をタイムリーに打つ

 アベノミクスの成果については、株価の上昇や雇用の増加などさまざまな指標が挙げられるが、最大の成果の一つはインバウンド市場の拡大ではないだろうか。その理由には、マクロの状況とそれに付随したミクロの状況がある。

 マクロの状況としては大きく二つが挙げられる。

 一つは、アベノミクスにおける金融政策を通して、結果的に為替レートが円安になったことだ。外国人にとって日本への渡航費用は非常に安くなった。

 もう一つは、ビザ発給の緩和だ。特にASEAN(東南アジア諸国連合)に対する緩和が大きかった。現在、訪日外国人客の8割はアジアとなっている。

 こうしたマクロの状況が整ったところに、うまくミクロの対策を打っていったことがインバウンドの増大につながった。これらの施策は、菅義偉内閣官房長官の政治力で断行された部分が大きい。

 たとえば、今年4月からは東京の迎賓館赤坂離宮で通年の一般公開が実施されるようになり、その結果、外国人も日本人も多くの人々が見学に訪れている。

 これ以外にも、さまざまなインパクトのあるミクロ対策を、マクロの環境が整った段階でタイムリーに行ってきた。こうしたところに、私は現政権の“巧さ”を感じる。



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