4月中旬に発生し甚大な被害をもたらした熊本大地震の影響により、熊本のみならず九州全体において、観光の予約キャンセルが多く伝えられている。

 以前の本コラムでも述べたように、「ツーリズムとは、よい産業」である。なぜなら、平和と経済的繁栄の象徴だからだ。

 戦争や紛争のある国に観光で訪れることは難しい。経済が悪い国も、観光にとっては敷居が高いことが多い。

災害と闘い、生き抜いていけるシステムづくり

 では、災害とツーリズムの関係はどうだろうか。社会・経済に大混乱を引き起こす意味では、ツーリズムにとっては避けるべき“宿敵”といえる。

 一方で、日本では災害と観光資源が表裏一体の関係にもある。地震や火山噴火などが起こりやすいような大変複雑な地質学的条件だからこそ、独特の自然環境が生まれ、温泉をはじめ魅力的な観光地が存在するからだ。こうした条件を逆手に取り、ツーリズムとして活用してきたのである。

 長い歴史の中で、日本はしたたかに災害と闘ってきた。その延長線上で、ツーリズムにおいても災害と闘い、災害の中で生き抜いていけるシステムをつくっていく覚悟が求められる。

 具体的には、社会インフラの整備だ。日本はこれまで、インフラをしっかりとつくってきた。その姿勢を、今後も貫いていく必要がある。

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