2015年のインバウンド観光客は1973万人を超え、過去最高を記録した。2016年はさらなる増加が期待できるだろうか。また、取り組むべき課題は何だろうか。

訪日外国人数に影響を与える三つの要素

 今年の訪日外国人数を予測するには、「なぜ観光客は増えるのか」を分析する必要がある。インバウンド観光客の増加は三つの要素でほとんど説明できる。観光客を送り出す国の「GDP成長率(所得水準の向上)」「為替レート(円安)」「規制緩和(ビザの発給緩和)」だ。

 これら三つの要素が、主にアジアの近隣諸国でうまく作用し、日本への観光客数が大きく伸びた。今後のインバウンド観光を占うには、これらの要素を見ていくことが重要になる。

中国経済の減速はリスク要因の一つ(写真:二匹の魚/PIXTA)

 昨年から今年にかけての状況を見てみると、アジアの「GDP成長率」については、今年もそこそこの伸びが期待できそうだ。ただ同時に、中国経済の減速というリスク要因も存在する。

 今年1月のダボス会議でも、中国経済について「バンピーランディング」という言葉がよく使われた。中国経済がどうなるのかというと、ソフトランディングではない。かといって、クラッシュランディング(破綻)でもない。でこぼこ揺れる(バンピー)ランディングであり、どれくらい揺れるかによって世界経済への影響も変わってくるというわけだ。

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