整備推進法に記された手続きに沿って、きちんとした議論を

 問題は、カジノについて話をする時に、「ギャンブル依存症が蔓延する」といった批判が必ず出てくることだ。しかし、日本のギャンブル依存症人口というのは、カジノが禁止されている現在でも、人口比率で見ると米国の3倍という高水準にある。

 理由は簡単で、パチンコ依存症があるからだ。日本では「ギャンブル依存症になるからカジノに反対」という人が多いのだが、現実問題としてパチンコの方が危険性は高いと言えるかもしれない。なぜなら、パチンコ店には無防備に誰でも近づくことができるからだ。それを放置しておきながら、合法的なカジノをつくることに反対するのは議論の仕方としてはおかしい。

 もちろん、ギャンブル依存症は防がなければならない。だからこそ、カジノにおいては、一定の入場制限をするなど、しっかりとした規制を導入する。合法的なカジノにすれば、ギャンブル依存症の対策を行うこともできる。

 一方で、グレーゾーンのパチンコの場合には、適切な規制も行われていない。ギャンブル依存症を心配するのであれば、パチンコこそ規制しなければならないだろう。

 日本には、パチンコという公然たる“擬似カジノ”がすでに存在することを前提として、合法的なカジノをどのようにつくっていくかを議論するべきである。

 なお、今回成立した法律は、いわゆるプログラム法というもので、どんなカジノをつくるのかについては何も書かれていない。単に手続きが書かれているだけだ。つまり、法律が成立してから、ようやくカジノについての具体的な議論がスタートすることになる。「ここから議論をちゃんと始めましょう」と謳った法律に対して、否定するような声が聞かれるのは不思議でならない。議論の仕方として、間違っているのではないか。

 統合型リゾート整備推進法に記された手続きに沿って、「カジノをどこにつくるか」「どれくらいの規模のものにするか」「ギャンブル依存症を防ぐために何をすべきか」などをきちんと考えていく。それがあるべき議論の姿である。

Next:「アクセスのインフラ整備は重要な課題」