昨年12月15日、統合型リゾート(IR)整備推進法が自民党と日本維新の会などの賛成多数により、成立した。報道では「カジノ法案」などと呼ばれたが、その呼び名では統合型リゾート(IR)の本質を捉えることはできない。

大人から子どもまで楽しめる統合的なリゾート

 シンガポールのセントーサ島は、統合型リゾートのお手本とされる。2010年2月14日にシンガポールで初めてのカジノが開設された。このセントーサ島には、ほかにもユニバーサル・スタジオ・シンガポールや世界最大級の水族館などがある。島の中でカジノの占める面積は7%程度に過ぎない。

シンガポールのセントーサ島。島の北側にはテーマパークや水族館、南側にはビーチがある。2010年2月にシンガポール初のカジノ施設がオープンした(写真:のびー/PIXTA)
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 重要なのは、広大な敷地の中で、大人から子供までみんなが楽しめるような施設をそろえることだ。統合型リゾートとは、文字通り、さまざまなレジャーを統合したものであって、決してカジノに限定されるものではないのである。

 このように、統合型リゾート整備推進法とは、カジノを含む統合的なリゾートをつくろうというもので、日本が本気で観光立国を目指すのであれば避けて通れない道だと考えられる。

 先進国の約3分の2に、すでにカジノは存在している。カジノなしで観光立国を目指すというのは、むしろ不自然な話と言えるかもしれない。

 私自身も産業競争力会議のメンバーとして、統合型リゾートの推進を提唱してきた。たとえば、2013年4月17日に主査(立地競争力強化)として提出した資料では、次のような論点を指摘してきた。

 「IR(統合型リゾート)市場の形成に向け、積極的取り組みを開始している自治体、民間と連携した推進体制を構築」

 「『統合型リゾート整備促進法(仮称)』の制定に向けて、内閣官房に担当部署を設置。関係省庁(観光庁、警察庁、法務省、経済産業省、総務省など)と連携した検討体制を整備」

Next:「整備推進法に記された手続きに沿って、きちんとした議論を」