観光庁は2015年12月、「訪日ムスリム外国人旅行者受入環境整備等促進事業」の実施地域を選定した。同事業では、マレーシアやインドネシアほかイスラム圏からの旅行者増を見込んだ、受け入れ環境向上の取り組みの一環として、2015年11月に全国から実施地域を公募。集まった8地域のなかから、取り組み内容や他地域への汎用性を選考基準として3地域を決定した。

 選定されたのは、(1)富山県朝日町、新潟県糸魚川市・上越市、長野県小谷村・白馬村・大町市、(2)岐阜県高山市・白川村、(3)三重県鳥羽市の3地域。

イスラム圏からの旅行者を受け入れる環境整備が必要になっている(イメージ) (Luxpho/PIXTA)
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 具体的には、富山県朝日村を含む地域では、北アルプス日本海広域観光連携協議会が中心となり、ムスリム関連セミナーを実施。そのほか、料理教室、礼拝環境整備、各種団体のウェブサイトにムスリム専用ページを設ける。

 岐阜県高山・白川エリアでは、飛騨高山ムスリムフレンドリープロジェクトにより、パンフレットや観光ガイドアプリの機能強化なども行う。また、高山市独自の施策として、多言語メニュー作成やクレジットカード決済環境整備の補助金制度を設ける。

 三重県鳥羽では、伊勢鳥羽志摩インバウンド協議会を中心に体制を組む。事業としては、日本在住のムスリムを招き、宿泊施設などに出向いてノウハウ提供を行うほか、受け入れ環境の整備状況を示したウェブサイトやソーシャルメディアなどで情報を発信。ホテル従業員向けのムスリム対応冊子も制作する。さらにムスリム向け会席料理レシピのとりまとめなども行う予定だ。

 訪日ムスリム観光客の多くは、日本の雪景色や温泉などへの関心が非常に高く、今回選定された各地域も、それぞれの地域の魅力を発揮することでいっそうの誘客が期待される。

(岡田寿都栄)

訪日ムスリム観光客の間では、日本の雪景色や温泉などへの関心が高い。写真は白馬村 (GITANE/PIXTA)
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