世界のベストレストラン50

 CNNがこうした日本人シェフの旅のストーリーを描こうとした背景には、世界の美食のトレンドがあると思われる。そのひとつの発信源となっているのが、英国で発行されるシェフやレストラン経営者を読者とする専門月刊誌『レストラン』(William Reed Business Media社)で、毎年発表される「世界のベストレストラン50」というランキングである。

 同ランキングの選定は、2003年以降、世界の食の専門家や評論家など1000人近い評議員の投票数によって実施されてきたという。

 ちなみに、2016年のトップ10は以下のとおり。

1. Osteria Francescana (イタリア、モデナ)
2. El Celler de Can Roca (スペイン、ジローナ)
3. Eleven Madison Park (アメリカ、ニューヨーク)
4. Central (ペルー、リマ)
5. Noma (デンマーク、コペンハーゲン)
6. Mirazur (フランス、マントン)
7. Mugaritz (スペイン、エレンテリア)
8. Narisawa (日本、東京)
9. Steirereck (オーストリア、ウィーン)
10. Asador Etxebarri (スペイン、アシュベ)

 ここには日本のフレンチレストラン『NARISAWA(ナリサワ)』が堂々8位にランキングしているが、ヨーロッパを中心に南米やアジアの店も入っていること。さらに、西洋料理の王道とされるフランスではなく、スペインが3店と最多。必ずしも首都ではなく、地方都市のレストランが多いことなどが特徴だ。ここには、ランキングを決めるうえでの独自の基準があると思われる。

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