訪日ビジネスを成功へ導く
最新記事とマッチングサービス
詳しくはこちらのページへ

 3月末にイースター(復活祭)休暇に入り、欧米の旅行者たちの姿が1年のうちでいちばん目につく時節を迎えた。キリスト教圏の人たちにとって絶好の休暇シーズンであるこの時期、桜の開花時期とも重なり、多くの欧米人が日本の春を楽しんだことだろう。

 もっとも、日本政府観光局(JNTO)によると、中華圏の休暇シーズンにあたる春節のあった2月、訪日外国人旅行者のうちアジア系が全体の85%以上を占め、豪州も含めた欧米系はわずか9.4%。数のうえでは欧米客は圧倒的に少数派である。

 この趨勢を前にして、改めて考えてみたいことがある。年々変化し、多様化していく訪日旅行市場だが、数の論理によらない、もっと別の見方はできないものだろうか。

今年のイースターは3月27日。各地で欧米客の姿を見かけた。写真は京都駅(3月31日撮影)
[画像のクリックで拡大表示]

「富裕層といえば中国人」という誤解

 そのひとつの鍵が富裕層旅行市場である。

 まず確認しておきたいのは、これまで我々は富裕層について偏った理解をしていたのではないか、ということである。

 端的にいうと、ここ数年、「富裕層といえば中国人」というような条件反射的な理解がメディアも含めて幅をきかせていた。でも、本当にそうなのだろうか。

 2000年代以降の急激な経済成長で日本の国内総生産(GDP)を追い抜き、いまや訪日外国人数トップとなった中国。その巨大なポテンシャルに目がくらむのは無理もない。

 そこに昨年の「爆買い」が加わった。近年の中国のマクロ経済の減速もあり、「モノからコトへ」と彼らの行動様式が変わるとする分析もある一方、団体客の顰蹙(ひんしゅく)を買うふるまいを指摘する話題には事欠かない。

 しかし、そうはいっても、彼らは10数億の民のひと握りの人たちだ。こうしたいくつもの相反し、混濁したイメージが中国人観光客を理解不能なアンビバレントな存在に仕立て上げている面もある。

Next:「富裕層のための商談会とは?」