前編より続く)

 今年も大都市圏を中心に中国人観光客の購買力をあてこんだ「春節狂騒曲」が鳴り響いた。ただ恩恵にあずかる地域がある一方、一部では「思ったほどの勢いはなかった」という声も聞かれる。

高級ゼイタク品から日常消耗品の高品質化へと移行

 中国国内では欧米ブランド店が撤退する動きも報じられ、消費動向にも変化が見られるという。端的にいうと、高級ゼイタク品から日常消耗品の高品質化への購買トレンドの移行が始まっているのである。

春節休暇中、都内のショッピング街は中国語簡体字表示であふれていた(写真は渋谷)
「爆買い仕掛け人」ともいわれる鄭世彬氏

 いわゆる「爆買い」を経済現象としてのみ見れば、マクロ経済の影響をそのまま受けるという話で終わる。だが、「歴史や文化的な背景を持った社会現象であるため、一過性のものではない」と語るのが、台湾の日本薬粧研究家の鄭世彬(チェン・スウピン)氏だ。

 鄭氏は先ごろ、日本で初めての著書『爆買いの正体』(飛鳥新社)を上梓したばかり。インタビューの後編では、我々日本人が想像もしていなかった「爆買い」の内実と今後の行方を聞いた。

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