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職場を生き抜け!ビジネス

死んだところで会社も上司も責任をとらない(6/6ページ)

2016.12.27

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落ちこぼれてもいい! 体をこわすまで働くべきじゃない!

 しかし、今や、多くの労組にその力がありません。そこに私は悔しいものがあります。労組には、閉塞した日本の経済社会を変える力がないのか、と空しい思いもあるのです。(前回と今回の記事でふれたように)カンパニー・ユニオンには、そんな力はもとよりありません。

 安倍政権は、国家社会主義政権化しつつあります。改革をしようとするならば、そこには労働組合や、労働者の声を聞く場がないといけない。しかし、最近は労政審議会なども形骸化しつつあり、労働組合外しが進んでいます。私は、危険な動きだと思います。

Q 最後に、会社員に向けてメッセ―ジをください。

 私は、最近、航空会社に勤務する男性社員の家族から労働相談を受けました。

 男性は過密労働の末、過労死になってしまったのです。家族は、会社に抗議をしましたが、非を認めることをしません。それどころか、男性の過去の体の状態などを持ち出し、「前々から、体が弱かった」という方向に話をもっていこうとするのです。

 このケースに限らず、日本企業はいざとなると、非を認めないし、責任をとることを放棄します。長時間労働で、過密労働で、しかも、社員の8~9割が猛烈に働く体制になっています。その中で、治ったはずの病気をぶりかえすこともあるのです。

 私は、こういう遺族に、「死ぬまで働くことをしなくとも…」とは言えません。遺族は、家族が亡くなったのは、自分が止めることをできなかったから、と責めることがあります。むしろ、サラリーマン労働者に言いたいですね。「落ちこぼれても、いいじゃないか! 体をこわすまで働くべきじゃないよ。死んだところで、会社も、上司も責任なんてとらない。悲しいとも思わないよ」と。

<お知らせ> 長年にわたってnikkeiBPnetでお届けしてきた、吉田典史の「職場を生き抜け!」は今回で終了となります。2017年からは、新たに日経ビジネスオンライン(http://business.nikkeibp.co.jp/)にて再開いたしますので、乞うご期待ください。

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
吉田 典史(よしだ・のりふみ)

 1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。
 著者に『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死 生き証人たちの真実の告白』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)、『悶える職場』『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『ビジネス書の9割はゴーストライター』(青弓社)など。近著に『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(KADOKAWA/中経出版)がある。
 連載「職場を生き抜け!」は、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)や『仕事なんかするより上司に気を使えよ (働く・仕事を考えるシリーズ)』(労働調査会)にまとめられている。
 雑誌では、『先見労務管理』(労働調査会)、『プレジデント』(プレジデント社)、『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。

Twitter:https://twitter.com/Yoshidanorifumi
https://twitter.com/Katigumi2
ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/yasushinori/

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  • 1.読者2016.12.27

     なんだかため息が出るような話ですが、そういう競争に勝ち抜いて社長なり会長なりに上った人たちが会社の決まり事を維持し、作っていくのですから会社がつぶれるまでこういった風習はなくならないのでしょうね。
     ちなみに日本の会社がこんな風なのは、戦後いわゆる軍人上がりが創業者として多かったためという意見を聞いたことがあるのですが、それならば軍隊ですから一人二人どうなろうと反省も改めもしないというのはわかるような気がします。

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