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職場を生き抜け!ビジネス

「電通事件」は繰り返される(6/6ページ)

2016.12.14

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現場の労働者の強い声が必要

 変えることができるとするならば、下からの、つまり、現場で働く労働者が「ここをこう変えるべき」という強い声なのではないか、と私はみています。それが労働組合ならば私は期待をしますが、労働組合の力が弱い職場や労働組合がない職場では、もっと地道な努力が必要になってくるように思います。

 まずは、社内や社外で信用のおける友人らと、職場での問題を話し合ってみることもいいことだと思います。おそらく、労働組合という組織が誕生した頃は、こんなところから始まったのだろうと私は考えています。会社人として生きるとはなんなのか、組織内・組織外と様々な視点から語り合いながら模索する、そんな瞬間をどこかで持つことから始めるのもよいのではないかと思います。

 今回の事件で大きな社会問題となりながらも、なおも電通は新卒採用を続けるのでしょう。そして、多くの学生がエントリーするのでしょう。組織とそのメンバーは、自分たちがどこに問題意識を持ち、どう変わっていくのか、と説明をする責任があるではないでしょうか。そのあたりから、ではないかと思います。

◇◇◇

 今なお、電通の社長以下、役員ら経営陣は、記者会見などを開き、社会に向けて一連の問題のいきさつを詳細に説明することをしません。

 次回は、なぜ、電通の経営陣が今回の「過労自殺」問題について説明をしないのか、その謎に迫ります。労働組合のベテランの元役員に取材した声を紹介します。 

 かつての電通事件の判決の内容などは、下記でご覧いただけます。

〇厚生労働省
https://kokoro.mhlw.go.jp/case/634/

〇大阪過労死問題連絡会
http://www.osaka-karoshi.jp/important/116/

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
吉田 典史(よしだ・のりふみ)

 1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。
 著者に『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死 生き証人たちの真実の告白』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)、『悶える職場』『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『ビジネス書の9割はゴーストライター』(青弓社)など。近著に『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(KADOKAWA/中経出版)がある。
 連載「職場を生き抜け!」は、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)や『仕事なんかするより上司に気を使えよ (働く・仕事を考えるシリーズ)』(労働調査会)にまとめられている。
 雑誌では、『先見労務管理』(労働調査会)、『プレジデント』(プレジデント社)、『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。

Twitter:https://twitter.com/Yoshidanorifumi
https://twitter.com/Katigumi2
ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/yasushinori/

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  • 1.労基法を守れない経営者は労働者をやればいい2016.12.14

    繰り返すのは労基法違反に対する使用者個人への罰則の適用が軽すぎるからだと思う。厚労省のHPで、平成26年労働基準監督年報から労働基準監督行政における罰則適用状況を調べてみたのだが、平成17~26年の10年間で、労基法違反、安衛法違反等で書類送検された使用者は22,296人で、そのうち懲役刑になったのは23人だ(0.1%)。1年当たり2.3人しか懲役になっていない。書類送検されて半分弱ぐらいが起訴されるのだが、多くが略式裁判での罰金刑で、残りのほとんどが裁判による罰金刑だ。ここの運用を変えないとダメだろう。労基署は労働基準監督官が圧倒的に足りない、検察は労働犯罪には大して興味がないということが大きな理由となっていて使用者個人に厳しく責任を追及するようなことをしてこなかったと思われるが、大企業の経営者が罰金50万円を払うなんて役員報酬の2日分をカットするぐらいのものではないか。抑止効果を持たせる意味でも、重大な労働犯罪を働いた使用者は刑務所に行くのが当たり前にならないとダメだろ。労基法の罰則で規定されているように懲役6ヵ月以下を粛々と適用すべきだ。そんなことしたら、会社が潰れるというのなら一回潰れてみたらいい。きちんと労基法を守れる経営者が現れて経営するようになるから。労基法等の労働法制を守れない経営者は今すぐ辞任して、明日から労働者をやればいいんだよ。

  • 2.へのへの2016.12.14

    残念ですが、この手の事件は記事にならないものまで含めると毎日のように発生しています。しかし一向に改善されないのは、今の労基法であり、関係法を見れば分かるように、いくら法規制を作っても必ず抜け道が用意されているからです。こういう事件が起きたときには、雇用関係の有無に限らず会社の経営関係者を全員顔写真つきで公開し、無条件で起訴して有罪にするぐらいの強力な法案を作らない限りは永久になくならないでしょうね。

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