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職場を生き抜け!ビジネス

「電通事件」は繰り返される(4/6ページ)

2016.12.14

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長時間労働を法律で規制しても守らせるのが難しい

Q 今後、残業の法的な規制が強くなるように思います。国会では、そのような動きが始まっています。残業規制がなされたとして、その後、日本の企業の職場はどうなっていくのでしょうか?

 (前回お話したとおり)長時間労働を法律で規制をすることを私は否定しませんが、それだけで今回のような問題が完全に解決するとは思えないのです。何らかの法律が制定されたとしても、それを守らせることはより一層に難しいものです。

 法律にしろ、厚生労働省の労働基準監督署にしろ、国民世論にしろ、外からの圧力には限界があるように思えます。むしろ、問題の本質が社内でしだいに隠されてしまうことがありうるのかもしれません。

Q 前回、このような指摘をされていましたね。「労働者を請負契約にして法適用を免れようという流れが加速することになる可能性も十分あります」。このあたりについて、お教えいただけますか?

 一部の企業で進んでいることあり、私も相談を受けることでもあります。正社員であった人が、会社から何かの理由で「業務委託になってほしい」と言われ、それまでの雇用関係が変わってしまうのです。

 業務委託になれば、仕事を一定の条件で請け負うという点で、自営業のような立場になるのです。そこには、正社員のように雇用がある程度、保証されるということはありません。当然、残業代は支給されません。雇用保険や労災保険なども適用除外となり、その保証を受けることができなくなります。

 委託で請け負う人が過労死などになったとしても、仕事を発注する会社の側は、裁判などでは「そもそも自営業者であって労働者ではない。」「(その仕事の)指揮命令はしていない」「そのようになることは、予見していなかった」などと主張することがあります。

 安倍政権の「働き方改革」の1つの議論に、シェアリングエコノミー推進の流れの中で、この労働者の自営業者化が進みつつあるのではないか、と思えるものがあります。多くの労働者は、このあたりに関心があまりないようですが、やがて大きな問題にはなると思います。

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