トップ > 職場を生き抜け! > 早稲田卒の25歳大手損保社員が「過労死」した

職場を生き抜け!ビジネス

早稲田卒の25歳大手損保社員が「過労死」した(4/8ページ)

2016.11.16

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

いくら頑張ってもそれ以上を要求される職場

 男性が過労死になる前、母親に話した言葉を、母親が回想して書きあらわしたものです。

 大企業といっても、俺たちのように真面目に勉強して入った者より、縁故での入社が多いのにはガッカリした。タイムカードもなく、残業は給料締切日前日に自分で書いて提出。しかも1か月30時間まで。あとはいくらやってもサービス残業。土曜日も午前中は仕事。たまの休日も、一人で出社している支社長にときおり呼び出される。会社訪問の説明会とはまったく違うんだ。(P23)

 母さんには分からないよ。俺の気持ちは。いくら一生懸命やっても次にはかならずそれ以上を要求されるんだ。疲れたよ。(P23)

 損保会社の業界では、〇〇〇〇は〇位なんだけど、神奈川だけは〇位なんだ。〇〇〇〇に越されるな。負けるな。これが、合い言葉なんだ。とにかく異常だよ、うちの会社は。ハードだよ。母さんには俺の顔見せられないよ。目の下にはくまができてしまっているんだ。疲れたよ。ゆっくり寝たいよ。(P23~P24)

 〇には、会社名や数字が書かれてあります。今回の記事では、空欄にします。会社名などを実名として盛り込むとき、その会社に確認することが望ましいのです。前々回の記事「電通の「過労自殺」議論で、抜け落ちていること」では、三菱重工業を実名で書きました。これは、裁判などで記録が残っているためです。今回、取り上げた男性の遺族は、この損害保険会社と裁判をした痕跡がありません。労災認定を求め、労働基準監督署などと争ったことを見つけることもできませんでした。

 実は、1990年代後半、私は男性のことを取材しようと、この損害保険会社の広報課に取材交渉をしましたが、断りを受けました。その時点で、男性が死亡し、10年ほどが経っています。「その頃のことを詳細に把握しているものがいない」という回答を、広報課から受けました。これらを踏まえ、匿名としました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ログイン
  • マイフォローとは?
nikkei BPnet 会員サービス
トピックを選ぶ!フォローする 自分のメディアを組み立てる! マイフォロー

ランキング一覧を見る

おすすめ情報【PR】

締切間近のセミナー