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職場を生き抜け!ビジネス

電通「過労自殺」を「ないもの」にしようとする人たち(8/8ページ)

2016.11.02

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加担したと思える上司たちに反撃する遺族

 前回の記事「電通の「過労自殺」議論で、抜け落ちていること」で、私は2人の過労死遺族や家族を紹介しました。この人たちや弁護士は、「過労死」や「過労自殺」に加担したと思える上司たちに目をつけ、事実を積み重ね、迫っていくのです。当然、会社からの反撃やブロックなどがあります。それでも、ひるむことをしません。

 こういう姿勢で上司らの行動を検証していくと、いじめやパワハラなどを見ていた社員が内通者として、家族や遺族ら、弁護士などにリークすることがあるのです。良識というものが働いているのです。

 16年ほど前、30代前半の頃、取材をさせていただいた労働組合・全労連の顧問・三上満さん(故人)が、その場で語っていた言葉です。戦後一貫として、労働運動の闘士として闘ってきた方です。

「良識はどこかのタイミングで、何かのきっかけで必ず働く。まんざら、日本という国は捨てたものではない。どこかで、バランスがとれている、意識の高い国。私は、それを信じている」

 寒い冬の日で、帰り際、JR大塚駅前で握手をしていただき、別れたことを記憶しています。

 今回の電通の「過労自殺」は、多くの人の記憶から早いうちに消えていくはずです。しかし、社内にいるごく一部の人の、何かの動きで1ミリずつ変わっていくのではないか、と私は思います。

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
吉田 典史(よしだ・のりふみ)

 1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。
 著者に『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死 生き証人たちの真実の告白』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)、『悶える職場』『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『ビジネス書の9割はゴーストライター』(青弓社)など。近著に『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(KADOKAWA/中経出版)がある。
 連載「職場を生き抜け!」は、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)や『仕事なんかするより上司に気を使えよ (働く・仕事を考えるシリーズ)』(労働調査会)にまとめられている。
 雑誌では、『先見労務管理』(労働調査会)、『プレジデント』(プレジデント社)、『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。

Twitter:https://twitter.com/Yoshidanorifumi
https://twitter.com/Katigumi2
ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/yasushinori/

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  • 1.teft2016.11.16

    「業績への影響がない限り」、そうです、この会社を東京五輪終了後まで公共案件入札停止、適合条件から除外しない限りは問題の本質は解決しません。

  • 2.通りすがり2016.11.02

    「電通の「過労自殺」議論で、抜け落ちていること」でもコメントしましたが、「過労死」と「過労自殺」を同等に考えている事が、「問題の本質を見ない議論」だと思います。

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