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職場を生き抜け!ビジネス

電通「過労自殺」を「ないもの」にしようとする人たち(4/8ページ)

2016.11.02

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かん口令がしかれた社員の自殺

 私にも、これに近い経験があります。15年ほど前のことで、30代前半の頃でした。年齢が近い男性社員(当時30代半ば)が、山の中で首をつって自殺をしたのです。

 私の上司が、横浜の中華街の店で酒を飲み、多少、酔った勢いで部員10人ほどの前で得意げに語っていたのが、次のとおりです。この上司は女性社員がそばにいると、饒舌になり、かん口令がしかれているようなことまで語ります。

「ある部署の、40代後半の直属上司(その後、ほかの会社へ転籍)が、その男性社員に仕事上の指導で厳しく叱った。男性はそれを苦にして落込み、しばらくすると、それよりも数年前、社員旅行で行ったことのある、首都圏の山の中で死んでいた。母親は半狂乱となり、会社に抗議をしてきた」

 上司が話していたとおり、この男性が自殺をしたことは事実なのでしょうが、それ以外の話は、私が当時、知り得た範囲では定かではありません。おそらく、管理職である上司にはしかるべきルートで、この話が知らされていたのでしょう。

 当然、かん口令がしかれていたのでしょうが、酔いが入った上司はおもしろおかしく、社員の自殺を語っていました。5~7人の女性社員(当時20代後半~30代前半)たちは、興味しんしんに聞いていました。この女性たちは、自らの「産休」や「育児」の権利は盛んに求めるのですが、同じ職場の社員の自殺は酒のつまみにするのです。

 こういう職場は、前回書いたように「市民感覚の良識が働かない」といえばそれまでなのでしょう。しかし、実は企業社会の相当に広い範囲で見られることなのではないでしょうか。

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