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職場を生き抜け!ビジネス

電通の「過労自殺」議論で、抜け落ちていること(10/10ページ)

2016.10.19

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「なぜ、死にいたったのか」という検証こそ必要

 過労死は、最終的には病死であったとしても、その前段階では、殺人に近いことが行われている疑いがあります。そして、それを覆い隠す人たちがいます。組織的に封印する会社もあります。

 遺族は、ここに許せぬ思いがあるのです。愛する家族を利用するだけ利用し、死に至れば、徹底して軽く扱い、存在すらなかったことにしようとします。人間としての尊厳を隅々まで踏みにじられたことに、全身からの憤りを感じているのです。

 過労死であれ、過労自殺であれ、なぜ、死にいたったのか、という検証は、徹底して行われるべきではないでしょうか。労働時間のみがその人を殺すのではなく、上司をはじめ、会社員こそが死においやるのだと私は考えています。

 会社という、あの無機質な建物ではなく、そこで働く人こそ、狂気を秘めているのです。

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
吉田 典史(よしだ・のりふみ)

 1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。
 著者に『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死 生き証人たちの真実の告白』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)、『悶える職場』『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『ビジネス書の9割はゴーストライター』(青弓社)など。近著に『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(KADOKAWA/中経出版)がある。
 連載「職場を生き抜け!」は、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)や『仕事なんかするより上司に気を使えよ (働く・仕事を考えるシリーズ)』(労働調査会)にまとめられている。
 雑誌では、『先見労務管理』(労働調査会)、『プレジデント』(プレジデント社)、『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。

Twitter:https://twitter.com/Yoshidanorifumi
https://twitter.com/Katigumi2
ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/yasushinori/

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  • 1.転職組2016.10.26

    電通職員の自殺については、過労が原因とされていますが、「通りすがり」さんが書かれている通り、パワハラかそれに付随するものだと思います。私の経験からすると労働時間が長くても、それが苦にならなければ、続けるころが出来ます。好きな事ならば、長い時間続けられるのと一緒です。仕事が苦痛になるのは、パワハラやその仕事に意味があるのか(社会に役立つのか)、違法ではないか等の理由だと思います。この場合、長時間労働すると、苦痛の時間が増えて、リカバリできなく、精神的つまり体力的に健康を害することになると思います。15年以上前に私も三菱重工から転職した時の理由を後で冷静に考えると、その仕事に罪悪感を感じるようになったからだと思います。若い時には感じず、長時間労働をしてもそれほど苦にならなかったけど、その仕事が税金を使って会社の都合で仕事をしているかがわかってきたためか、苦痛になってきたのだと思います。このように、仕事が苦痛になり、かつ長時間になった時に、心が病んでくるのだと思います。

  • 2.Lord of Flies2016.10.20

    このコラムの要点を本文中から引用して、まとめてみました。

    >>「過労死」や「過労自殺」について議論をしながら、なぜか、誰もが取り上げないことについて考えます。

    >>職場で「まともな議論があるのか否か」、「市民感覚の良識が働いているのか、否か」....歯止めやブレーキがかかることなく、問題が問題として放置されると思えてならないのです。

    >>「過労死」や「過労自殺」の引き金になる「前段階」は、ほとんどの(この歯止めや良識がきかない)職場にあります。

    >>会社......で働く人こそ、狂気を秘めている

    ということで、まとめちゃえば、会社・職場という集団では、良識が働かなくなって、それが、過労死・過労自殺を産むことになる、ということに 要旨がまとめられます。

    (無意味に かぎ括弧でくくられた名詞が多くて、なかなか本来の意図が何なのか、読み込むのが大変でした)

    過労死、過労自殺が社会問題にならない海外では、会社という集団は、そのような良識が働かなくなるような状況は、ありえないのでしょうか。

    だとすると、組織に所属する勤労形態が 社会参加としての最終形である、という日本独特で旧来の価値観が、良識が働かなくなる理由であることのような気がします。 

    つまり、集団への密接な帰属のこだわりが、会社における一律新卒採用制度を維持しており、人材をゼロスタートで染め上げる、という昔からのやり方に誰も疑問を抱かないし、社員たちが自分達の盲目さにさえ気が付かないということです。

    学校のいじめ問題の根源と同じな感じもします。

    だから、日本は窮屈だなぁ。と思うのです

  • 3.通りすがり2016.10.19

    題名を見て、ちょっと期待して長い文章を読みましたが、本当に残念な内容でした。
    過労死と、過労自殺を同等に扱っているなんて全くナンセンスです。
    電通の件の場合、過労そのものが直接的要因ではなく、パワハラが直接的要因で自殺に至ったのであり、もし仮に実残業時間が40時間以内に完全管理されていたとしても、この会社、および上司では遅かれ早かれ自殺に至っていたと思います。つまりこの件はパワハラによる自殺強要(未必の故意)とも言えるものであり、過労と一緒にする事は問題の根源を見誤ることになると思います。

  • 4.生涯現役2016.10.19

    この記事は、日本の企業では当たり前のように為されていることを述べています。
    又、学校でのイジメも同じです。
    このような行為は、実行する人間(上司・イジメっ子)と、それを傍観する人間とで為されます。特に、傍観者の存在がエスカレートさせます。残念です。

  • 5.KO2016.10.19

    残念ながら法律は残業(仕事)の質には無頓着です。なぜか法曹関係者にも同様の傾向がみられ、時間ばかりを問題にしがちのようです。できる残業100時間超とできない残業20時間があります。経験者からきちんとヒヤリングされているのでしょうか。

  • 6.No Name2016.10.19

    50年前の新入社員です。ペアを組んだ先輩が数か月の間、邪魔になるだけだから帰れ!と残業をさせて呉れませんでした。余裕があった時代にキツイい方でしたが、新人を思って呉れていたのかもと気付きます。過労死なんて言葉が無かった時代ですけど。

  • 7.引退者2016.10.19

    書かれていることは全くそのとおりだと思います。私の現役時代も若い時は月100時間を超える残業はザラで終電にも間に合わずタクシーで帰るのも頻繁に。ここでは、社内のことが原因・課題として捉えられていますが、もっと本質的な問題があると見ています。日本では大学(多くの人は)を出て就職します、就社という方が適切かも。就職しても本人にはこの分野が得意、スペシャリティと言えるスキルを持っている人は殆どいません。会社はそういう学生を採用し各企業ごとの教育・実習をさせて新人を育てて行きます。そこでは、会社の仕組みに合わせた働き方・やり方を否が応でも覚えやらなければ仕事になりません。結局、社員は大半のケースで、その会社でしか通用しない人となり他社・他の業界でスペシャリティで売り込む、通用するスキルを身につけてないケースが多いでしょう。これでは、社内の上司、同僚の理解だけでは解決しません。その前の教育段階・制度からどういう人を社会で必要とし育てるかというところから入らなければいつまでも同じことを繰り返すでしょう。

  • 8.荒木純夫2016.10.19

    全くその通りだと思います。長時間労働は必要条件であって十分条件ではありません。武蔵野大学長谷川秀夫教授が「残業100時間くらいで自殺なんて情けない」と書いていますが、そういう感性の持ち主のいる職場に問題があると思います。私自身タイの工事現場で定常的に130時間、ピークは240時間の残業しましたが、高橋まつりさんと全く異なり気持ちが前向きで目標が明確、期間も分かっていたので耐えられました。一方この記事で指摘している「職場のあり方」として、3年くらい先輩の同僚が私の上司に「皆が残業している時に定時に帰ってけしからん」と文句を言ってきたことがあります。ただでさえ長い残業を減らすために仕事の少ない時は帰っていたのですが、「付き合い残業をしろ」と言われたのです。上司はそのまま私に伝えましたが、私は無視しました。記事で指摘していませんが、こういう付き合い残業強要も横行しているでしょう。

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