「通話」よりも「目で読む会話」が主流の時代

 「スマホの、月額2700円で通話し放題プランて必要ですか?」

 これはネット上にあるブログでの「問いかけ」だ(注・実際とは多少表現を変えている)。私は即座に「もちろん必要、このプランが無けりゃあ、私は破産しちゃうじゃないか!!」と、誰もいない自分の部屋で1人大きな声を上げた。

 そんな私をいさめるようにブログはこんな風に続いていく。

ブログ:「最近、私たち平均的日本人のスマホでの通話は、めっきり減っていますよね」

 良い悪いは別にして、その事実は認めざるをえない。拙著『遅刻をメールで伝えるバカ』(廣済堂新書)を出版してからすでに4年半。今なら「遅刻をメールで伝えないバカ」とタイトルを変えて出したら売れるかもしれない。今はそんな時代のようなのだ。メールやLINEなど、「目で読む会話」が主流になっているとのブログの指摘を否定することは難しい。

 先日、ある出版社の編集者と電話で企画を話し合った。

(写真:PIXTA)

 「面白そうですねえ」と言ってくれた彼。

 「じゃあ、この続き、今度会ってもっと深めたいねえ」――そう返した私に、彼が言った言葉が忘れられない。

 「今日、梶原さんがしゃべったことメールで送っておいてくれませんか?」

 上手な「お断りの言葉だなあ」と思ったら、そうでもなくて「文字化した企画」を上司に「そのまま転送メールで報告」したかったそうだ。便利といえば便利かもしれないが、できれば自分の感性で受け止め、吟味した中身を自分の言葉で上司に伝えてほしい気もした。良い企画書は「会話でもまれなければ生まれない」というのは、古いのかもしれない。

 話が成立したんだから、まあいいか……。