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梶原しげるの「プロのしゃべりのテクニック」ライフ

余市、前橋、熊谷の読み方は? 発音は「地元アクセント」でいいじゃない!(3/4ページ)

2016.11.24

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地名アクセントの規範が欲しい

 「地元アクセントを軽んじてきた、中央主権的アクセントの取り扱い」に異論を差し挟む人が、「前橋市民」以外にもいた。例えば地方局のアナウンサーだ。

アナA:「地元アクセントと、全国の人が使うアクセントに違いがある場合、どうしたら良いのかかなり迷う……」

B:「元々地名そのものが地元アクセントとともに存在するもので(放送だからといって)切り離すのはおかしい。標準語時代のおごりのように思える」

C:「地名アクセントなどは標準アクセントとして統一しない方が良い」

(放送研究と調査2016年11月号・井上裕之より引用、梶原超訳)

 「地方創生」という時代の空気も、これら“意欲的な声”を後押ししたためかどうかは知らないが、全国各地のアナウンサーは個々人の裁量と工夫で、標準的な全国アクセントと地元アクセントを適宜使い分けてきた。

 例えば大阪に拠点を置くローカル局のアナウンサーが全国向けの番組の中継レポートを前にして、にこんな風に考えていた……。

 「今日は、ここ、道頓堀からお送りしましょうという場合『どうとんぼり』のアクセントを『どう《と》んぼり』と関西風の『中高(なかだか)』にしたほうがローカリティーも出せるし親しみの感じも演出できそうだ。関西ローカルで『どうとんぼり』と平板に言ったら確実に『きざなやっちゃなあ』と嫌みのひとつも言われるけど、全国中継だから許されないかなあ……どっちにしよう?……」

 彼はきっと「地名アクセントの規範が欲しい」と思っていたはずだ。その答えこそが「地元放送局アクセント」だった、と私は考える。

 繰り返すが、アナウンサー以外の「余市くん」のような「地元地名を全国アクセントで発音しなければならないプレッシャー」に押しつぶされそうな人たちは、ぜひ、そのあなたの「地名」をこの辞典から探し出せば存外悩みは消える気がする。

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