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梶原しげるの「プロのしゃべりのテクニック」ライフ

都知事人気は「小池の名前にあり」の心理学的信憑性(1/4ページ)

2016.11.10

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「今は玉込を、しているところでございます」と小池都知事

 小池百合子都知事が呼びかけた「希望の塾」に4000人を超える応募があり、その初日の講座を前に多くの報道陣が知事にマイクを向けた。

 「これは新党結成の布石ですか?」

 インタビュアーは何十人もいたが、質問はほぼこれ。「うんざりだわ」なんて表情はおくびにも出さず、にっこり笑顔で返した言葉が印象的だった。

知事:「今は玉込め(たまごめ)を、しているところでございます(笑)」

一視聴者の私:「駒込なら巣鴨の先だが、タマゴメって、何?」

 現場にだって、鳩が豆鉄砲を食らったような記者の姿があったかもしれない。私は耳馴染みのないこの言葉を小学館日本語大辞典で確かめてみた。

 「玉込め(弾ごめ)とは、鉄砲に弾丸を込めること」とあった! そして例文がこれ。

 「落語の始祖、三遊亭圓朝が塩原多助一代記を語った<片膝立て……鉄砲に玉込めいたし……>」

 江戸時代から引用しないと説明できないほどに古めかしい日本語のようなのだ。「クールビズ」「都民ファースト」と横文字だけでなく、トラディッショナルな日本語も自在にこなす、さすが元インテリキャスターだけのことはある。ボキャブラリーの豊富さも、彼女の売りの一つと見た。

 「塾開講は、新党結成の第一歩か?」という記者の問いに、「鉄砲を撃つ(新党を立ち上げに打って出る)ための、玉を込めている(準備している)ところだから詳しくは言えないわ」と、婉曲な表現で上手に交わす技を見せていたというわけだ。

 「作戦」が功を奏したのか、それ以上の追求が行われることはなかった……。

(写真:KJ)
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