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梶原しげるの「プロのしゃべりのテクニック」ビジネス

「死亡」「亡くなる」は不適切? 「はな子」報道で考える動物の死(1/5ページ)

2016.06.23

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日本最高齢のゾウ「はな子」の死、報道の表現に違和感

 大勢の老若男女が集まり献花台で花を手向け手をあわせる。そこは動物園だ。

 「2016年5月26日、年老いた1頭のゾウが、この世を去った。人々に愛された不思議なゾウ‘はな子’その姿を、もう一度……日本最高齢のゾウ<はな子>が69年の生涯を閉じた~」

 映像とテロップだけが流れた後、2月に放送されたNHKドキュメント72時間が6月10日再放送された。

 戦後間もなくタイから日本にやって来た巨大なアジアゾウ。日本の混乱も成長も繁栄も停滞も、淡々と檻の中から見守ってきた「はな子」に、自分の人生を重ねた人たちが少なくない。

在りし日の「はな子」(写真:PIXTA)

 何度も園に通い、はな子に声をかけ、優し眼差しに癒される人たち。

 ついに天に召されたはな子を、「単なる動物」を超えた「パートナー」のような「恋人」のような、時には「神様」のような存在だと感じる人にとって、亡くなった翌日の新聞の見出しは、ちょっぴり違和感を覚えたかもしれない。

 「ゾウのはな子、死ぬ」

 一般紙の見出しは「死ぬ」という「ストレートな表現」でほぼ統一されていた。

 「死ぬだなんて、生々しい表現に違和感がある。旅立ったとか、最低でも亡くなった、ぐらいにしてもらえないものだろうか……」

 スポーツ紙ならもう少し「共感的表現」を使ってくれるかと思ったら、そうでもない。

 ・スポーツニッポン「47年生まれ69歳ゾウ・はな子死ぬ」
 ・サンスポ「はな子死ぬ、国内最高齢69歳」

 「死ぬ」を使わなかったのは、日刊スポーツの「ゾウのはな子69歳大往生」ぐらいか。

 「ニュースなんだから、ドキュメント72時間のトーンと違って当たり前じゃないか?」

 言われてみれば当然だ。報道機関が「動物の死を死ぬ」と伝えるのは何も間違っていない。ニュースには「迅速に正確にわかりやすく伝える責務」があるからだ。

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