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ロジカルシンキングの達人になるビジネス

論理思考:仕組みの育て方(1/4ページ)

~アイデアを形にする思考~

2015.04.10

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 ここ一年かけて、ある中学校での開発をお手伝いしてきたキャリア教育プログラムが、この4月からいよいよ稼働します。全学年で年間を通して実施され、教頭先生によれば「生徒が自分で考えるようになる教育への重要な一歩」となる予定です。

 その内容をいろいろな人に話していると、内容に興味を持っていただけるとともに、「どうやってそういうことを思いつくのか?」とよく聞かれます。そこで今回は、このキャリア教育プログラムを題材に、どうやってアイデアを形にしていくのかを紹介したいと思います。このやり方はいろいろな仕組み作りや、サービスの開発に応用できると思います。

過去から未来を見つけ、前進の原動力にする

 まずはこのキャリア教育プログラムの特徴を簡単に説明しておきましょう。核となっているのは「インパクト体験の棚卸し」というワークで、自分の過去を振り返って、自分にとってインパクトの大きかった体験をリストアップしていきます。そして、そこから、(1)自分の強み、(2)応援したい人たち、(3)社会への想い――を引き出していきます。この根底にあるのは「未来の根は過去にある」という仮説です。

 過去の体験の棚卸しは、いろいろなキャリアデザインのワークで行われますが、この方式で特徴的なのは次の3つです。

1.成功体験だけでなく、ネガティブな体験にも注目する
 成功体験にはよく注目しますが、インパクト体験棚卸しでは、ネガティブな体験にも注目します。例えば「病気がちだった」という体験から、「ハンディを持った人の気持ちが分かる」といった強みを引き出します。

2.「社会への想い」と「応援したい人たち」を引き出す
 「キャリア」というと、「どんな職業を選ぶか」をイメージしがちですが、このワークでは「何のため」「誰のため」をインパクト体験から引き出します。重要な体験から引き出すことで、単なるあこがれや借り物の価値観ではなく、自分に根ざしたものが出やすくなります。なお、多くの人たちが応援したい人たちとして「過去の自分のような人」あるいは「自分を支えてくれた人のような人」を挙げています。

3.仲間とこのワークに取り組む
 3つ目の特徴は、一人ではなくクラスメートと取り組むことです。とりわけ中学生ではこのことが大きな意味を持ってきそうだと、中3と中1の希望者によるテストセッションから見えてきました。例えば生徒達の感想にあった「悩んでいたのは自分だけじゃなかったんだ」「熱い話し合いが出来たからこれからが楽しみ」「その人のことが、ちゃんとわかった」といったことは、一緒にやったからこそ感じられたことでしょう(それ故の難しさもありますが)。

 この「インパクト体験棚卸し」を踏まえて、例えば勉強その他の目標設定が行われる予定です。また、職業研究は「社会を応援したい人たちに合った方向に動かすには、どんなやり方があるのか」から調べたり考えたりすることになります。そして(仮の)目的意識を持った状態で、新たなインパクト体験を積み重ね、またそれを振り返っていくことになります。

 ここで「中学生でそんなことができるのか?」という疑問もあると思いますし、僕も同じ疑問を持っていました。これについても後で触れます。

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